|
足の進歩をとげつつあり、今後諸分野の交流はさらに深まり、教育研究上,実務上において接点に立つ人は増大するであろう。医学生物学の領域はすでに人間の健康に関与する分野から生命の本質を探究する分野にまでその裾野をひろげて居り、年間に誕生する新造語は1500語とも2000語ともいわれる。 医学生物学にかぎらず自然科学用語の英語名は遠くギリシャ、ラテン両文明にその源流を発している。この両古典語が学術用語に多用されるのは第一にギリシャ、ラテン両文明が早くから文学、芸術、科学、哲学の分野でその華を咲かせ19世紀までは西欧諸国の学問の共通語であったこと、もう一つは近代の学術の進展にともない、専門用語を作成(造語)する必要に迫られた際、豊富多彩な造語能力、他国語の介入しない純粋性に於て両古典語がもっともすぐれていることによる。 これから医学、薬学、生物学を学ばれる諸君は用語の構成を念頭において言葉に接するよう心掛けることをお奨めする。終りに化合物名と共にもっとも系統的、合理的なルールによって構成されている医学生物学用語について少し例をあげておこう。 用語の構成でもっとも多いのは〈接頭語+接尾語〉の型式によるものである。たとえば5万以上あるといわれる病名の大半は (器官を表わす)接頭語*+(症候を表わす) 接尾語*から成る。(言語学上、正しくは造語形という。) gastritis 胃炎<gastro−‘胃’+−itis‘炎症’gastro−,−itisはそれぞれギリシャ語 gaster‘胃'、itis ‘炎症’から誘導され各種の病名、症候名、術式名などの表現に使われる: gastralgia 胃痛<gastro−‘胃’+−algia‘痛み’。gastrotomy胃切開<gastro−‘胃’+-otomy‘切開’各器官に相当する接頭語はすべて決められている。adeno−腺、angio−血管、arterio−動脈、arthro−関節、broncho・気管支、blepharo−眼瞼、cardio−心臓、celio−腹部、cephalo-頭、Cerebro-大脳、cheilo−唇、cholecysto−胆嚢、cysto−膀胱など主要器官のみで約100種類ある。接頭語となる症候、術式等を表わす用語も多彩である:−emia血液の症状、-uria尿の症状、−cholia胆汁症状、 |
| ← P.3 | 図書館報 | P.5 → |