して各自希望する量を売買する。このとき価格を支払わねばならないから、この売買量(需給量)は市場価格を目やすにして決定されるが、売手の供給(生産)量の決定と同時に生産技術の選択も決定される。
 (2) 市場価格の決定である。市場における需要量と供給量の調節が必要で、この調節の機能をはたすものが価格であって、価格は需給が等しくなるように決定される。これを均衡価格という。このとき需要量と供給量は等しくなり、産業と国民全体の生産量が同時に決定される。
  (3) 資源最適配分問題の解決である。有限資源に未利用の部分があれば最適配分の趣旨に添わないこともあきらかであるから、資源の完全利用がまず課題である。しかし、資源が完全に利用されているからといって、かならずしも最も有効に利用されていることを保証しない。そこで有効性の基準とどのような市場機構によって最適配分が達成されるかが課題である。
 (4) 市場の失敗の問題でこれは市場機構が資源の最適配分に失敗するケースである。第一に市場の不完全性、独占、第二に近時とみに顕著になった公害、環境破かい等の外部不経済の出現、第三に近年それに対する社会的需要が増大してきた
公共財がこの失敗の例にあげられる。市場機構にかわる資源の最適配分機構は何かが課題である。
 (5) 以上の分析はその説明からわかるように価格を分析の用具としているから価格分析といい、家計、企業の個別的行動を詳細に分析することから出発するから、顕微鏡的分析、あるいはミクロ分析という。課題は今のべたように種々あろうが資源の最適配分が代表的課題である。これに対し、国民経済を構成する個別経済を顧慮しないで、というよりも個別経済と直接関連づけないで全体としてそのまま把握したほうが適切な経済現象があり、国民経済全体の産出水準の決定と変動(成長)がこれである。この問題の適当な分析方法は国民経済を小さく部門に分割しないでそのまま全体として把握する方法で、望遠鏡的、あるいはマクロ分析という。分析の武器は国民所得だから所得分析ともよばれ、その主題は資源の完全利用である。国民所得の概念を明確に把握するとともに、投資乗数理論をしっかり理解することが必要である。国民経済全体の生産量の決定が課題なのであるが、その決定の仕組み、メカニズムがミクロ分析とマクロ分析では異なるから、その差異を知ることが大切である。
(経済学部 教授)



 アメリカの大学図書館
    −Utah 大学の場合(続き)−
                    百 武    秀

 ユタ大学綜合図書館の紹介を続けます。この図書館でも、図書類は専門分野ごとに一箇所にまとめられていますが、特に理系では Science/Engineering Division として、理と工とを分けずに一つにまとめてあり、この方が便利だと思われます。この Division は、一つの階全体にわたって、カード・ボックス(著者別,書名別、項目別の3種)、各種の Abstracts,Index,コンピューターによる情報検索の端末機(Rockheed 社の DIALOG その他)、および書物と雑誌がまとめられています。書物と雑誌の割合はほぼ半半でした。雑誌の配列はアルファベット順、書物のそれは分類別順です。
雑誌の貸出は製本したもので3日間、製本していないものは貸出禁です。この規則は学生・教員ともに同じ。ところで、これらの書物、雑誌はすべて開架ですが、書棚の列と閲覧机の列とが交互に並べられ、書棚から本をとってすぐ手近のテーブルに座れて、これも便利だと思いました。それに、本に囲まれて読書していい気分になれます。
 なお、この Division の一角に Map Collection があり、約8万点の各種の地図が備えられていました。目新しいものでは飛行機や人工衛星からとった地上写真。従来のものでは日本全土の実に詳細な地図の大冊がありました。いつも旅行前にはこの地図室へ来て、大きなテーブルに道路図や地形図を広げていろいろ調べたものでした。
 借りたい本が重いときや貸出禁の雑誌の場合は、コピーをとりに2階の Duplication Division へ出かけます。ここには複写機が20台ほど備えて


← P.3 図書館報 P.5 →