になるとほとんど成長しなくなるという我々の経験的、感覚的事実(現象)を示している。このように、グラフが上に接するように動くS字状曲線を「成長曲線」と呼んでいる。草花や動物の体長も同じであるが、他に、たとえば、新製品の売上げ状況、歌手や俳優の人気の度合い、小説等の売れ行きなども、ある程度の時間に限って云えば、例外を除いて、ほぼ上の曲線に沿っているものである。実は、上のような曲線N(t)のみたす式は、簡略化すると
N'(t)=N(t)(a-N(t)), t>o  N(o)=No
であることが知られている。ここで、N'(t)はN(t)の導関数で、αはNo>αなる正の数であるが、すべての時刻tに対し“N(t)>α”が上の式から導き出され、N(t)は序々に下からαへ近づくことがわかる。我々はαを「閾値」と呼ぶが、初期身長と閾値を定めればこの方程式はただ1つの解N(t)を持つので、途中の状態を分析する事もできるのである。
この例はごく身近な問題であるが、「微分方程式」によって解析される具体例は豊富である。ある領域の中で生存する「餌食と捕食者」の関係、「遺伝子の組み合わせ」の問題、ホルモンである“インシュリンとアドレナリン”の分泌による体内の「ブドウ糖調節」の問題などは興味深いテーマである。(これらに関しては雑誌「数学セミナー」の中のシリーズ「微分方程式で解析する」を参照)このような具体例だけで「微分方程式」に興味を抱いてもらえるとは思わないが、国内の専門的良書として、「偏微分方程式」(草野尚著、朝倉書店)、「偏微分方程式」(溝畑茂著、岩波書店)、「発展方程式」(田辺広城著、岩波書店)、「非線形の現象の数学」(山口晶或著、朝倉書店)などがある事を述べておこう。紙面の都合で中途半端になってしまったが、最後に、「数学」を通して“頭と紙と鉛筆”をもっと楽しんでもらいたいと切望するものである。
(理学部 助教授)

横棒

館務報告
(昭和57年10月〜昭和58年1月)
受贈図書
 法学部浅野直人教授より国務院経済法規研究中心辨公室編「城鎮非農業個体経済法規選編」(工人出版社)
 法学部岩間 徹講師より同講師ほか著「深海海底資源と国際法」(明星大学出版部)
 経済学部寺園徳一郎教授より高木幸子ほか編「高木暢哉−人と学問−」(九州大学出版会)
 商学部川合 研助教授より川合一郎著「川合一郎著作集 第一巻〜第六巻」(有斐閣)
 工学部大久保正興助手より小島 哲ほか著「新版有機通信工学」(電気書院)ほか4冊
 薬学部小嶋 操教授より同教授著「Mの雑記帳(一)−一日一項−」(小嶋 操)3冊

図書委員会
 昭和57年11月30日
  昭和57年度図書予算執行状況について

人事
 昭和57年11月30日付退職 佐野良子 図書二課(理学部分室)

会議
 昭和57年度全国図書館大会(於 福井市)
  昭和57年10月13日〜16日 今村・杉本出席

 第53回日本医学図書館協会総会(於 京都市)
  昭和57年10月28日〜29日 三好図書委員・有吉出席
 日本薬学図書館協議会第20回九州地区会議(於  第一薬科大学)
  昭和57年11月27日 稲益出席

研  修
 福岡県・佐賀県大学図書館協議会第一回福岡地区研究会(於 ガーデンパレス)
  昭和57年10月22日 山内・古川参加
 図書館職員講習会(於 京都大学)
  昭和57年11月15日〜19日 井手参加
 福岡県・佐賀県大学図書館協議会第二回福岡地区研究会(於 九州大学)
  昭和57年11月19日 山内・古川参加
 DIALOG講習会(於 丸善福岡支店)
  昭和57年11月30日 野本参加
 JOIS講習会(於 博多新三井ビル)
  昭和57年12月2日〜3日 野本・棚町・益満参加
 DIALOG講習会(於 丸善福岡支店)
  昭和57年12月9日〜10日 野本参加
 福岡県・佐賀県大学図書館協議会第三回福岡地区研究会(於 ガーデンパレス)
  昭和58年1月21日 山内・古川参加


福岡大学図書館報 No.34 1983年2月1日発行
編集発行・福岡大学図書館(福岡市城南区七隈8丁目19番1号 TEL092-871-6631)



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