福岡大学図書館ヨーロッパ法コレクション
法学の源流をたずねて-すべての法はローマ法に通ず-
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第1部 ヨーロッパ法文化の基礎としてのローマ法・カトリック教会法  
 
No.2
ポルタ版『ユースティーニアーヌス学説類集・新部』


Corpus juris civilis. -- Digestum novum : Pandectarum iuris civilis, tomus tertius : sextae partis reliquum, ac septimam, eandemque novissimam Digestorum partem continens, ex Pandectis Florentinis ita in universum recognitus, ac emendatus, ... : Adiecimus pluribus locis annotationes ...
Lugduni : Apud Hugonem a Porta, 1551.
[28] leaves, 866 p. ; 44 cm.(fol.)
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標題紙
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  標題紙中央部分 『ユースティーニアーヌス学説類集』は、東ローマ帝国皇帝ユースティーニアーヌス1世が533年に公布したものである。内容は、ローマ共和制末期以降の法学者たちの著作から抜粋要約(digest)したものである。
 中世以来、この『学説類集』は、3つの部分に分かつのを常とした。この3つのうちの最後の部分が『新部』と呼ばれ、全体の第39巻第1章から第50巻第17章を含む。
 金属活字印刷が始まると、『学説類集』についても、ヨーロッパ各地で、さまざまな刊本が印刷されるようになった。ここにあげるのは、福岡大学図書館が所蔵する刊本のうちでは、もっとも古い1551年からのものである。体裁は、写本と同じく、中央に原文を配し、その周囲に注釈を置き、さらにその外側に、注釈に対する注釈を施す。
 『学説類集』のテキストには、おおまかに言って、「流布本」と「フィレンツェ写本」とがある。この1551年版は、このうち「フィレンツェ写本」に拠っている。
 この刊本を出版したのは、リヨンの出版業家系として知られるラ=ポルト家当主ユーグ=ラ=ポルトであった。中央には、門(ポルタ)が描かれ、蝶番を外した2枚の扉板には「わが自由を、われとともに、われは運ぶ」とある。
表紙 表紙には、中世以来の有名な法学者らの肖像が、皮革を張った板に刻印されている。
 


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