福岡大学図書館ヨーロッパ法コレクション
法学の源流をたずねて-すべての法はローマ法に通ず-
  トップページ資料と解説年表出版地・出版年ギャラリー参考文献
第3部 ローマ法の「現代化」  
 
No.18
カルプツォフ『ローマ=ザクセン法廷法学』


Carpzov, Benedict -- Benedicti Carpzovii, ... Iurisprudentia forensis Romano-Saxonica : secundum ordinem constitutionum D. Augusti Electoris Saxon., exhibens definitiones iudiciales succinctas rerum et quaestionum in foro praesertim Saxonico occurrentium, ... Editio novissima.
Lipsiae : Sumptibus I.C. Meyeri & I.I. Fritschii, 1703.
[40] leaves, 764, 520 p., [68] leaves ; 37 cm.(fol.)
所蔵情報(OPAC)別ウィンドウで開きます
 
 
第3部目次へ
次へ
標題紙
画像をクリックすると拡大表示します
  執筆中のカルプツォフに助言する様子絵 17世紀になると、とくにドイツでは、ローマ法・教会法を、地域領邦の裁判実務と接合させる実務法学がさかんになってくる。ザクセンにおいて、こうした法学の担い手となったのがベネディクト=カルプツォフ(1595年-1666年)であった。  ここにあげるのは、その代表作『ローマ=ザクセン法廷法学』である。かれは、とくにライプツィヒの参審裁判所から送られてきた訴訟一件書類をもとに鑑定意見を作成した。この作品は、そうした鑑定意見を集成したものであり、内容はすこぶる多岐にわたる。その特徴は、ザクセンにおいて生じた訴訟事件を、ローマ法・教会法・固有法で処理する点にある。
 福岡大学図書館所蔵本は、ザクセンの法律家アンドレアス=ミリウス(1649年-1702年)が再閲したものを1703年にライプツィヒで出版したものである。
 執筆中のカルプツォフに助言しているのは、仮面をつけ、鏡と蛇をもった「思慮」である。裁き手たる君主に恭しく仕えるのは、秤を持ち、目隠しをした「正義」である。背後には「名誉」が、ラッパをかざしている。「正義」は、天上には存在せず、君主の侍女のようである。
 


Copyright(C) 2006 Fukuoka University Library. All Rights Reserved.