福岡大学図書館ヨーロッパ法コレクション
法学の源流をたずねて-すべての法はローマ法に通ず-
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第4部 帝国法と近世自然法  
 
No.23-1
『カロリナ刑事法典』初版本


Carolina constitutio criminalis. -- Des allerdurchleuchtigsten großmechtigste unüberwindtlichsten Keyser Karls des fünfften unnd des Heyligen Römischen Reichs Peinlich Gerichtsordnung auff den Reichsztägen zu Augspurgk und Regenspurgk inn jaren dreissig und zwey und dreisssig gehalten auffgericht und beschlossen.
Gedruckt zu Meyntz : Bey J. Schöffer, 1533.
2 v. in 1([6], 48, [6], 80 leaves) ; 31 cm.(fol.)
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No.23-2
ダムホウダー『裁判実務』


Damhouder, Joost -- Practica gerichtlicher Handlunge in burgerliche Sachen : auß den gemeinen beschriebenen Rechten, und deren förnehmen, geöbten, und erfarnen Lehrern, mit sonderm fleiß zusamen getragen ...
Getruckt zu Franckfurt am Mayn : Durch N. Bassee, 1575.
4 pts. in 1 v.([8] leaves, 683 p., [3] leaves, 228, [3] p., [6], 29, [3] leaves, 140, [8] p.) ; 33 cm.(fol.)
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No.23-1標題紙 No.23-2標題紙
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  No.23-2刑罰の様子No.23-2刑罰の様子 『カロリナ刑事法典』は、1532年にレーゲンスブルクで開催された神聖ローマ帝国の帝国議会で成立し、皇帝カール5世(在位1519年-1556年)によって公布された帝国刑事立法である。それは、刑事法の領域における神聖ローマ帝国領内の統一的法典であり、その後、18世紀末から19世紀初頭におけるフォイエルバッハなどのあたらしい刑事法思想が登場するまで、もっとも重要な刑事法源であった。内容の点では、おもにこんにちの刑事訴訟法・刑法が中心となっている。これによって、刑事手続きの適法化がすすんだ。
 福岡大学図書館は、その1533年版を所蔵する。マインツで出版された。標題紙には、左に拷問用具の数々が、上段には、焚刑・絞首刑・車輪刑などが描かれている。出版者は、マインツのヨーハン=シェッファー(?-1531年)の印刷所である。ヨーハン=シェッファーは、グーテンベルクの後継者として知られたペーター=シェッファーの息子である。
No.23-2標題紙中央部分 あわせて、ヨースト=ダムホウダー(1507年-1581年)『裁判実務』を掲載する。これには、『カロリナ刑事法典』に関する注釈が含まれる。図解には、水を詰め込む拷問や金属製の雄牛に入れて火責めにする「ペリラオスの吠える雄牛」などが見える。
 同書の標題紙には、中央に「好機」を配し、その周囲には「この好機は、前頭には、髪をもつが、後頭は、禿(はげ)である」(カトー『二行詩』第2章第26節)とある。

 


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