福岡大学図書館ヨーロッパ法コレクション
法学の源流をたずねて-すべての法はローマ法に通ず-
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第4部 帝国法と近世自然法  
 
No.26-1
グロチウス『戦争と平和の法』1670年版


Grotius, Hugo -- Hugonis Grotii De jure belli ac pacis, libri tres : in quibus jus naturae & gentium, item juris publici praecipua explicantur. Editio nova, cum annotatis auctoris, ... Accesserunt annotata in Epistolam Pauli ad Philemonem, et dissertatio De mari libero.
Amstelaedami : Apud J. Blaeu, 1670.
[3] leaves, xviii, 620 p., [52], [3] leaves, 28 p. ; 21 cm.(8vo)
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No.26-2
グロチウス『ユースティーニアーヌス法注解散花』


Grotius, Hugo -- Hugonis Grotii ... Florum sparsio ad jus Justinianeum : cum praefatione D. Geor. Christiani Gebaueri ... Insuper hac prima Neapolitana editione notulis passim aucta ...
Neapoli : Ex officina V. Manfredii, 1777.
[12] leaves, 378 p. ; 20 cm.(8vo)
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No.26-1標題紙 No.26-2標題紙
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  No.26-1。標題紙中央部分No.26-1。グロチウス肖像画 オランダの法学者グロチウス(1583年-1645年)は、国際法の父あるいは近世自然法(理性法)の父として知られている。その主著『戦争と平和の法』は、1625年、まさに三十年戦争の最中に出版された。そこで説かれた種々の教説は、その後、こんにちにいたるまで、国際法秩序を裏付ける重要なよりどころとなってきた。
 福岡大学図書館には、種々の刊本が所蔵されているが、ここにあげたのは、福岡大学図書館所蔵本の中ではもっとも古い1670年のアムステルダム版である。これには、さらに、『パウロのピレモンへの手紙注解』および『海洋自由論』(1604年)が、あわせて登載されている。
 標題紙の天球下方には「(わたしは命令を)はたすことにすこしも疲れない」とある。これは、オウィディウス『転身物語』第9巻第198節-199節「ユピテルの残忍な妻(ヘラ・ユーノ)は、命令することに疲れてしまっているが、このわたし(ヘラクレス)は、それらの命令をはたすことにすこしも疲れない」に由来する。左は時の翁、右がヘラクレスを示す。1670年版は、グロチウスの肖像画を、標題紙の前に印刷している。
 グロチウスは、同時に、ローマ法の注釈に励んだ。『ユースティーニアーヌス法注解散花』は、そのローマ法研究の成果を、未完ではあるが、いまに伝えるものである。

 


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