16.相學提要(外) そうがくていよう

半紙本一巻一冊 岩邑石庭(いわむら・せきてい)編 文化十年(1813)十一月刊 
 江戸 山口墨鷹(やまぐち・ぼくよう)刻 南筑米府 紫琳臺(しりんだい)蔵版

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表紙写真(相學提要(外)そうがくていよう) 内容写真(相學提要(外)そうがくていよう)

 久留米の人相家岩邑石庭の著した「相学提要」本文に門人巌谷孔美(いわや・こうび)が解釈を施した「相学提要国字解」を一冊として、更に「三教祖論」一冊を合刻したもの。文化九年(1812)に成稿し、翌十年十一月に刊行するが「南筑米府 紫琳臺蔵版東都彫工 山口墨鷹謹刻」と奥付に記して 一見江戸板かと思うが、版面の様子は明らかに摺りの墨色のアマさなどから、田舎版とわかるもの。山口墨鷹は明和頃から知られた江戸の彫師であり、大小摺物にその名が見える。恐らく彫板を江戸で行い 、久留米の摺師の所で仕上げたか、或いは何かの用事で筑紫に下ってきていた山口氏が、こちらで彫り上げたかであろう。当時、このような彫師などの地方巡りの職人の存在が予測される資料でもある。