「和本の美」内で、各本の書誌事項や解題の中で使用されている用語の解説です。
- (内)
- 内題【ないだい】。本文の初めに記された書名。
- (外)
- 外題【げだい】。表紙につけられた書名。表紙にじかに打っつけ書きで記されたり、題簽【だいせん】(表紙に張り付けられた細長い小紙片)に記された書名。
- (柱)
- 柱題【はしらだい】。印刷面の欄外に加えられた書名。
- (角書)
- 角書【つのがき】。主要書名の上に冠された副次的な称呼。冠称とも言う。
- (写)
- 写本【しゃほん】。肉筆で記された本。
- (刊)
- 刊本【かんぽん】。出版された本。
- 大本
- 【おおぼん】。美濃判【みのばん】(美濃国<現岐阜県>で産する楮【こうぞ】紙)を二つ折りにした大きさをいい、それ以上の大きさものを総称する。書物に仕立てる美濃半紙には通常小判(約縦27cm×横39cm)のものを用いる。横長に置いた一枚紙を袋綴じにする為二つ折りして約縦27cm×横19cmの大きさとなる。
- 中本
- 【ちゅうぼん】。大本の約半分の大きさの本。縦は大本の横寸法をほぼ同じで、横は大本の縦の半分なので、約縦19cm×横13cmとなる。
- 半紙本
- 【はんしぼん】。半紙判の紙を横に二つ折りした大きさの紙(約縦24cm×横33cm)を使った本。書物に仕立てると約縦24cm×横17cmとなる。
- 小本
- 【こぼん】。半紙本の約半分の本。縦は半紙本の横寸法とほぼ同じで、横は半紙本の縦の半分なので、約縦17cm×横約12cmとなる。
- 横本
- 【よこほん】。縦に比して横が長い本。縦型の大本・半紙本・中本・小本に用いる料紙を横二つに切り、あるいは三つ切りなどにして横綴じにした本。
- 巻子本
- 【かんすぼん】。巻物【まきもの】。料紙を何枚も横に継いだ紙の末端に軸棒をつけ、これを芯にして料紙を巻き込む形態のもの。巻首に本紙を保護するための表紙をつけ、表紙の端に細い割竹か木の棒を巻き入れ、めくれや破れを防ぐ。横巻きの巻子本だけでなく、縦に巻く掛軸も巻子本の形態といえる。
- 後印本
- 【ごいんぼん】。初版と同じ板木を用いて、後に印刷したもの。
- 改刻本
- 【かいこくぼん】。初版とは別に、新しく板木を彫りなおしたもの。