13.金撰狂歌集【きんせんきょうかしゅう】(外)

(刊) 中本一巻一冊
寛政八年(1796)九月刊
(江戸)銭屋金埒【ぜにや・きんらつ】[編]
(江戸)恵斎政美【けいさい・まさよし】[画]
江戸 蔦屋重三郎【つたや・じゅうざぶろう】[板]

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    銭屋金埒撰の絵入狂歌本。「酒好米人【さかづきのこめんど】」の序(計三丁)によると 「(前略)ここに銭屋金埒なるあり。(中略)ことし寛政八年みな月ばかりやつかりとともに南門【ミナト】の楼にのぼりて 三伏のあつきを避るに(中略)人々をして秋の題を探らしむるに(中略)秋興八十首とせり(後略)」とあり、題箋は 「金撰狂歌集 完」と記され「秋部」のみで完結。「初秋」から「晩秋」まで秋のみの題詠。詠者には、兄弟子の北尾政演こと 「山東京傳」(十丁表)、や板元の蔦屋重三郎こと「蔦唐丸」(二三丁裏)、そして 1(A).『葵氏艶譜』でも句を寄せた「浪速 大江丸」(二二丁裏)の狂歌もみえ 上方と江戸の交流も窺え興味深い。
    恵斎は《盆踊り図》《海面の月に浜図》《鷹狩図》計三図(計六丁)、 大和絵風の挿絵を寄せる。このような踊り図は後に秋圃の絵馬類に同想の物が見える。