27(B).山水畧画式【さんすいりゃくがしき】(外)
見返しに梔色で「恵斎先生/山水/申椒堂」とするのが初版。序文、跋文の類は無い。
江戸から諸国の山水の名所を画くもので、見開き一丁を用いた大図から、半丁に二所づつを画く小図迄、区区であるが、
何れも画面には全く破端はなく、どんな小さな図柄も、たとえば四倍・五倍の大画面に拡大しても見事に収まる辺りが、
その手腕の確かさを示している。
十三丁表、十四丁裏の見開き画面となる「日本橋」図の中央に白く富士山が見えるのが
初版本。後印本は富士の姿が消える。
(A)は初版本。(B)はその後印本。