7.夕暮集【ゆうぐれしゅう】(外)
文政十一年初秋に亡くなった博多の大野瓢風を追悼する追善句集。同年四月朔日、
秋圃は願の通り隠居を仰せ付けられ、同日息子に家督を譲ったため(『木付日記』他)、隠居後に題画を依頼されたと
思われる。
本書の構成は、序文(一丁)の後、仙崖和尚の揮毫「縛風」(一丁半)、続いて秋圃の
《月にトクサ図》(「秋圃」(朱陽刻長印)、見開き画像参照)。本書でも、6『うめわさむ』と順序は逆だが仙崖と
秋圃の作品が続く。
本文は「瓢風居士遺吟」を春夏秋冬に掲載し(計十三丁)、「自由庵なきあとの文庫に秘めおける
反古どもあまたありける中にわきてこの三吟をみなみなゆかしかりつゝ終に遺吟のしりへに写て追福のひとつとす」
と冠された、対竹、葛三、瓢風の三吟(計三丁)が続き、「文政九年九月十二日於龍宮寺追善之俳諧」(五七名満座興行、
計七丁)で締めくくられる。跋文、刊記は無。