お知らせ

オーサービジット「芥川賞作家羽田圭介講演会」を開催しました

2017.12.01

 図書館では、平成29年10月16日(月)福大生ステップアッププログラムの一環として、第4回オーサービジットを開催しました。オーサービジットとは、作家を講師に迎え、講演会や意見交換を通して、作家の生の声を聞こうという企画です。

 今回は、高校在学中の2003年に『黒冷水』で第40回文藝賞を最年少で受賞し、小説家デビューをされ、2015年に『スクラップ・アンド・ビルド』で第153回芥川賞を受賞された羽田圭介氏に「小説家というしごと~思っていることを言語化する~」というテーマでご講演いただきました。

 今回のテーマについて、小説家としてテレビ番組に出演された際、編集されたテロップが自分の意図したものと異なる内容となり誤解を生んだ出来事を例に挙げ、「伝えたいことを正確に伝えることは、小説家に限らず誰にとっても大切なことであり、自分の発言には責任を持たないといけない。」と、その難しさと大切さを語られました。
 そのような経験も踏まえ、思っていることを言語化する際に心がけていることを3点挙げられました。1点目は、伝えたい情報を選別し整理すること。2点目は、情報を出す順番を整理すること。3点目が最も重要で、自分が理路整然と伝えられる情報を超えるほどの思考を行い、一生懸命それを伝えようとすること。特に3点目については、「パッケージ化された言説から感動は与えられない」、「論理的な思考回路を逸脱する位の思考が必要」と語られました。また、書く力は急には成長しないが読書をすることで思考のレベルが上がるとも話されました。読書については、実体験を交えながらお話いただき、実用書よりも小説を、そして時代や国の異なる小説や自分と考え方が異なる人の本を読み、物事を大局的に捉えられるようになることが大切であると話されました。
 講演の結びに、「福岡大学図書館は小説も多く、読書になじみやすい環境にあるので、若いうちにたくさん本を読んでください。」と、学生へのメッセ―ジを伝えられました。

 講演後は、初めての試みとして学生5名が登壇し、羽田先生を囲んでトークイベントを実施しました。学生からの、「小説家としての使命は何か?」「小説家を目指したきっかけは?」「学生時代読んでいた本のジャンルは?」といった様々な質問に、一つ一つ丁寧にお答えいただきました。小説家としてのポリシーを語られたり、実体験を交えながらのアドバイスを送られたり、飾ることなく学生と向き合っていただき、学生も感銘を受けていました。

 予定の時間を過ぎても質問に答えてくださった羽田先生ですが、最後の「自分より上手な小説家を見てつらくなったことはありますか?」との質問には、「素晴らしい作品と出会えることは、むしろ嬉しいことだと思える。」と、印象深い回答をいただき、盛況のうちに講演会は終了しました。

(学生の声)
著名な作家から、これからの人生を歩むうえでヒントとなるような貴重なお話を聞くことができ、大変有意義でした。
羽田さんのお話最高でした!『成功者K』を絶対読みます。