教員お薦めの本

※タイトルをクリックすると、福岡大学蔵書検索(OPAC)の所蔵情報にリンクします。

※「福大生のための学習ナビ」の「教養をさらに深める本」で紹介されている本も含まれています。

ASKサービス

人文学部

公開日:2019年4月2日
推薦者名:落合 桃子

美術に関するエッセイ集で、筆者も「あとがき」に書いているように、ぜひ若い皆さんに読んでいただきたい本です。坂崎乙郎(1927―1985)は早稲田大学政経学部教授であった西洋美術史研究者で、美術評論家として多くの著作を残しています。
本書には講演などに基づく6つのエッセイが収められていますが、白眉はやはり本のタイトルにもなっている「絵とは何か」でしょう。絵とは「想像力」であり、「個性」であり、「感覚」である、と筆者は言います。本当の絵描きとは、現実世界の外側に、自分の一つの世界、すなわち想像力の世界を築くことができる人のこと。ゴッホは、周囲との関係においては不幸であったかもしれないけれど、想像力の発露としての絵を残した幸せな画家でした。人間の短い一生を、感覚を大事にしながら、想像力のために使うことができたら、こんな幸せな生き方はない、と書いています。
本書は1976年に刊行されたやや古い本ですが、2012年より河出文庫(新装版)として出版されています。本書のメッセージは今なおアクチュアルなものとして、若い人たちの心に響いてくるはずです。
公開日:2019年4月2日
推薦者名: 堺 雅志

「ムーサたちはゼウスとムネモシュネ(記憶の女神)の娘でありました。彼らは歌謡をつかさどり、また記憶を励ましました。九人の女神の群で、その一人一人が文学、美術、または科学というふうに、部門を分けてつかさどっていました。」(野上弥生子訳)ムーサは英語式に言えばミューズで,彼女らのいるところが博物館,美術館(ミュージアム)の語源です。
山びこやこだまを意味するエコーもギリシア神話の女神の一人で,身勝手な青年ナルキッソスとのかなしい物語のヒロインでもあります。ちなみにナルキッソスは,自己愛を花ことばとする水仙の語源となっています。
ヨーロッパ各国のことばに今なお保存されている古代ギリシア,ローマの人びとの思考の源泉を,『ギリシア・ローマ神話』に訪ねてみませんか。
公開日:2019年3月27日
推薦者名: 磯田 則彦

本書は、世界的なベストセラーとなった『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』に続くもの。「デウス」とは「神」を意味し、近未来に出現する可能性のある存在である。AI(人工知能)の登場とそれが人間の知能を超えようとしている今世紀前半、実に興味深い内容となっている。
イスラエルの歴史学者である著者は、本書の中で近未来の予言をしているわけではなく、どのような可能性を有しているのかのいわば選択肢を提示している。現代社会においては、数年後を予測することは可能であるかもしれないが、数十年後、100年後を予測することは不可能である。皆さんは、本書から何を学び、未来をどのように予測しますか?
公開日:2019年3月26日
推薦者名: 長江 信和

「自分はなぜ大学に行くのか」と考える人と,「大学で何ができるのか」と考える人を比べた場合,どちらの方が学生生活を充実させることができるでしょうか。少なくとも何らかの行動を期待するのであれば,物事の理由よりも,具体的な手続きについて考える方が効果的と言われています。この本は,心理学の興味深い実験やその応用例を一般向けに紹介したものです。自分自身や周囲との関係を変えるきっかけが得られるかもしれません。
公開日:2019年3月13日
推薦者名: 林 信蔵

現代を生きる我々にとってありふれたものである「社会」「個人」「近代」という言葉が、実は西洋の思想や制度を日本に紹介するために、幕末から明治にかけて作られた造語であった。大学における勉強の一つの目的は、当たり前だと思われていたことに批評的な眼差しを向ける態度を身につけることにある。この著作は、翻訳論に関する古典的著作であるというだけでなく、常識によって見えにくくなっているものに目を向ける態度の優れた実践例の一つであると言えるだろう。
公開日:2019年3月5日
推薦者名: 南 直樹

第二次大戦後から現代フランスまでの変遷をやさしく教えてくれる本。

公開日:2019年1月10日
推薦者名:福嶋 寛之

第二次世界大戦における日本の敗戦をむしろ日本の大勝利と信じ、敗北と認識した日本人同胞の殺害にまで至る、いわゆるブラジル日本人移民の「カチ組」に関する精神史的考察。現在からみれば日本大勝利など荒唐無稽なデマでしかないが、彼らにとってそれは生きるためにどうしても必要な真実だった。なぜそのようなものが必要とされたのか、彼らのおかれた精神的・社会的状況から深く迫った名著。「人は見ようとするものを見、聴こうとするものを聴く。(略)これは人間一般の本質であり、狂気などではない。」(219p)は至言。あわせて、8月15日で全てが終わったわけではないことも教えてくれる。
公開日:2018年4月11日
推薦者名:落合 桃子

「美術史って、なんか古臭いし退屈そう…。」こう思っている方には、ぜひ同書を読んでいただきたいです。著者の若桑みどり氏(1935―2007年)は千葉大学などで教鞭を取った美術史家。同書はもともと放送大学の教科書として執筆・出版されました。
本書で展開される「イメージの歴史」の対象は、狭い意味での「美術」(絵画・彫刻・建築)に留まりません。写真やマンガ、広告などの大衆文化(ポピュラー・カルチャー)、記念碑や庭園、祝祭など、人間を取り巻くさまざまなイメージが対象となります。そして、こうした視覚表象を研究するためには、美術史という学問領域を超え、歴史学や文化史、思想史、社会史といった広い学問分野の成果や考え方が必要になると言います。さらに、時代の世界観や歴史観、ジェンダー観といった大きな「枠組み」について考えることで、はじめて私たちは一つのイメージの意味を解釈することができるのだと、筆者は主張します。美術史というのは、イメージを取り巻く社会や人間、世界について考える、壮大でダイナミックな学問なのです。
本書は序章を含めて計15章からなります。最初の5つの章では「理論編」として、「新しい美術史」、イメージ研究のための理論が展開されます。後半の10つの章は「実践編」です。古代ギリシャ美術や中世キリスト教の絵画、イタリア・ルネサンスの彫刻、フランス革命の寓意像やアメリカの自由の女神、日本の公共彫刻(公園などにある裸体の少女像など)などが取り上げられ、具体的な分析がなされます。
西洋美術史に関心のある方は、同じ筆者による『イメージを読む : 美術史入門』(ちくま学芸文庫)や『絵画を読む : イコノロジー入門』(日本放送出版協会)も、ぜひ読んでみてください。

公開日:2018年4月7日
推薦者名:磯田 則彦

「図書館に行けば、そこにはたくさんの本が並んでいる。」私たちは、それを当然のことと考えていませんか?ただ、ほんの少し考えてみればわかることですが、誰かが本を集めてこなければ、そこには本はありません。この著書は、本を、図書館をこよなく愛する人たちによって作成されています。わたしたちが普段何気なく目にしている書棚には、図書館スタッフの方々のアイディアと企画と愛情がぎっしりと詰まっていることが、この著書を読めば伝わってきます。本の分類はいずれの図書館でも行われていますが、書棚に並んでいる本には違いがあるのです。この違いが何を意味(意図)しているのか、思いを巡らせてみるのも楽しいかもしれません。本学の図書館にも実に多くの書棚があります。テーマに応じた展示スペースも各所にあります。この春、書棚をじっくりと見て、一冊の本を手に取ってみてはいかがですか?
公開日:2018年4月7日
推薦者名:川島 浩一郎

フランスの小説とくに恋愛小説に関心のある方にお薦めします。分析の対象となるのは主に次の五つの小説と、これらの小説が刊行された時代 (17世紀、18世紀、19世紀そして20世紀) の文化や風俗です。小説には関心がないけれど恋愛には関心があるという方にも、わりとお薦めです。
ラファイエット夫人 (1678年)『クレーヴの奥方』
ショデルロ・ド・ラクロ (1782年)『危険な関係』
プロスペール・メリメ (1845年)『カルメン』
ギュスターヴ・フローベール (1869年)『感情教育』
コレット (1920年)『シェリ』
公開日:2018年4月7日
推薦者名:堺 雅志

「秋の日の/ヰ゛オロンの/ためいきの/身にしみて/ひたぶるに/うら悲し。」(ポオル・ヱ゛ルレエヌ『落葉』より)
「山のあなたの空遠く/「幸」住むと人のいふ。」(カアル・ブッセ『山のあなた』より)
一度は目に、耳にした一節であると察します。1905(明治38)年に翻訳出版された西洋の詩のアンソロジーです。訳者の上田敏は、当時の人々にはまだなじみの薄かった外国文学を、これほどまでに美しく翻訳紹介し、それと同時に当時、口語と文語とのあいだで揺らいでいた日本語を、これほどまでに洗練しました。一度じっくりと時間をかけて鑑賞しましょう。フランス語やドイツ語を学んで、原詩と並べて味わうのも一興です。
公開日:2018年4月3日
推薦者名:間 ふさ子

今回わたしはあえて文学や哲学の書物ではなく、語学検定の問題集を推薦しようと思います。
外国語を学ぶ際、自分の実力を確認する手段の一つとして語学検定がありますが、受験料に加え問題集や参考書を購入するとなるとそれなりの負担となります。人文学部東アジア地域言語学科では、検定を受験しようとするかたのために図書館からいただいている予算の一部を使って中国語と韓国・朝鮮語の検定問題集を購入し配架していただくことにしました。本学の学生ならどなたでも借りることができます。
外国語を学ぶことの面白さや意義はすでに多くの方の語るところで、改めて繰り返す必要もありませんが、図書館には、みなさんの学びをサポートする機能もあるのだということをここでご紹介したいと思います。

(図書館より)
準4級、4級、3級、2級、準1級・1級は、中央図書館2Fの就職・資格・語学コーナーにあります。

公開日:2018年3月23日
推薦者名:樋渡 真理子

日本に住んでいることで素晴らしいことの1つは、世界各国で書かれた小説の多くを日本語で読むことができることです。外国文学を読もうとするときには、「読みやすくてわかりやすく、自分と相性の良い」翻訳を選ぶと豊かな読書経験に繋がり、また、原書を読むきっかけにも繋がります。『アメリカ短編ベスト10』は、そういった意味で、外国文学初心者にとって翻訳も正確でわかりやすく、また、数ある短編の中からアメリカ文学研究者である訳者が厳選した短編が10編(次点も含めて実は11編)収められていますので、どの短編を読んでも考えさせられる内容で充実した読書経験になると思います。
例えば、人生の優先順位と今後のライフスタイルについて考えたいならばハーマン・メルヴィルの「バートルビー」を、恋愛の終わりと友情と孤独について考えたいならばアーネスト・ヘミングウェイの「あることの終わり」を、また、貧困や人種差別、世の中の慣習について考えたいならば、ウィリアム・フォークナーの「あの夕陽」を、そして兄弟間の確執について考えたいならば、ジェイムズ・ボールドウィンの「サニーのブルース」を読んでみることをお薦めします。
それぞれの作家によって描かれ、切り取られた人生の断面を読書を通じて追体験することで、いろいろな状況に置かれた人々の生き方を理解する手助けになってくれると思います。また、「あとがき」の解説も面白いのでぜひ読んでください。
公開日:2018年3月23日
推薦者名:坂井 隆

あの三島由紀夫がUFOと宇宙人をテーマにした小説を書いています!信じられないと思う人は、一度、『美しい星』を読んでみて下さい。正確には「自分たちは宇宙人だと思い込んだ家族」の物語ですが、(人間的)高潔さとは何であるか、等々、読者を考えさせる小説です。
公開日:2017年4月12日
推薦者名:坂井 隆

現代の日本演劇を代表する劇作家による芸術政策論。「地域演劇」が、単に町おこしを意図した演劇ではないことが分かってきます。芸術の一極集中化(=東京中心主義)に少しでも違和感を感じている人にぜひ読んでほしい図書です。
公開日:2017年4月7日
推薦者名:川島 浩一郎

人文社会科学系の学問領域に興味のある方にお薦めします。読みやすい入門書だと思います。構造主義は必ずしも「主義」や「主張」の問題ではありません。研究対象に何らかの構造があることが、事実そのものであることも少なくないからです。
公開日:2017年3月31日
推薦者名:辻部 大介

私の専門はフランス文学ですが、一生活者として、また一市民として、十年ほど前から「ベーシック・インカム」の可能性に注目し、少しずつ勉強しています。すべての人が、一生のあいだ、一定額のお金(たとえば毎月八万円)を、無償で受け取ることができる、というこの制度が、一日も早く実現することを願って、この本を推薦します。
公開日:2017年3月16日
  • 暴力の人類史
  • スティーブン・ピンカー著 ; 幾島幸子, 塩原通緒訳
  • 上:209/P66/1-1 下:209/P66/1-2
推薦者名:藤村 健一

 本書の著者ピンカーは、殺人・レイプ・虐殺・戦争などの暴力が、人類の歴史の中で全体として減少傾向にあることを示す。著者がとくに重視するのは、理性と啓蒙主義の時代と呼ばれる17~18世紀のヨーロッパで起きた、非暴力化のうねり(人道主義革命)である。その背景には、人々が他者の苦しみに関心を抱き、同情するようになっていたことがある。さらに第二次世界大戦後には、人々が女性や子ども、少数派の人々、動物の権利を意識し、これらに対する暴力を嫌悪するようになった(権利革命)。そして現在、われわれは歴史上おそらく最も非暴力的で平和な時代を生きている。
 このように要約すると、陳腐でありきたりな話に聞こえるかもしれない。だが実際に手に取って読んでみれば、著者が例証のために用いている豊富な統計データと多彩なエピソードに魅了されるだろう。異なる時代・地域の社会の相互比較を志す者にとって、その理論と方法は大いに参考になる。
 著者も指摘しているように、現代の思想家の間では啓蒙主義は概して評判がよくない。だが「反知性主義」が高まりをみせる今日、理性や知性を尊重した啓蒙主義が暴力の低減に寄与したことをいま一度思い起こすべきではなかろうか?
公開日:2017年3月8日
推薦者名:安藤 純子

日本では、キムチや焼き肉が一般的になり、韓国では、若者を中心に日本食が好まれています。でも、それらの料理は、どうやって日韓それぞれに浸透し、変化(進化)したのでしょうか。また、冷麺には、日韓+北朝鮮をつなぐストーリーがあるのを知っていますか?慰安婦、竹島、嫌韓、ヘイトスピーチ・・政治や歴史問題といった対立する問題に焦点があたりがちの日韓関係を、「食」をテーマに考えてみると、日本と朝鮮半島の「近くて親しい」関係が見えてくると思います。
公開日:2017年3月3日
  • 夜の樹
  • トルーマン・カポーティ著 ; 龍口直太郎訳
  • 933/C16/6
推薦者名:銅堂 恵美子

トルーマン・カポーティは、映画「ティファニーで朝食を」の原作者として有名ですが、私がお薦めしたいのは、彼の短編です。彼の短編集である『夜の樹』の中でも、「ミリアム」という作品はお薦めです。人間の孤独や幻想と現実の狭間を描くこの作品は、とても短い作品ですが、彼の世界観が味わえる良い作品で、私も大好きな作品の一つです。是非一度、彼の作品世界に触れてみて下さい。
公開日:2016年3月31日

推薦者名:川島 浩一郎

 日本語とフランス語の違いについて、分かりやすく書かれています。言葉に興味のあるかたに、お薦めです。

公開日:2016年3月31日
  • 類推の山
  • ルネ・ド-マル著 ; 巌谷国士訳
  • 953/SH96/5

推薦者名:川島 浩一郎

 シュールレアリスム詩人による,短めの小説。わたしには、この小説が好きで好きで常に持ち歩いて読み返している知人がいます。

公開日:2016年3月31日

推薦者名:川島 浩一郎

「楢山節考」「月のアペニン山」「東京のプリンスたち」「白鳥の死」の4編を含む短編集です。(新潮文庫版)いずれの作品も、非常にクールです。

公開日:2016年3月31日

推薦者名:川島 浩一郎

小説という文芸形式の自由さがよく分かります。このような小説を読んだことのないかたは、一読して驚かれるのではないでしょうか。

公開日:2016年3月31日

推薦者名:川島 浩一郎

いわゆる「文学」の研究書ではないかもしれませんが、わたしはこの本を読んで初めて、文学を研究することの面白さを知りました。

公開日:2015年6月19日

推薦者名:竹安 大

相手を説得する、自分の望むように相手に動いてもらうなど、他人の考えや行動に対して影響を与えることはなかなか難しいものです。この本では、社会学や心理学などの知見に基づいて、どうすれば相手に対してより影響を与えやすくなるかが50の例とともに紹介されています。英語で書かれた本ですが、非常に明快に書かれているためとても読みやすく、何より面白い。この本は私の専門分野とは関係ないのですが、分野外の私でもどんどんと読み進めることができました。心理学や社会学に興味のある人はもちろん、それ以外の分野の人にもお薦めです。

公開日:2015年6月18日
推薦者名:鈴木 隆美

若くしてエイズでこの世を去ったフランス作家の奇才、エルヴェ・ギベールの恋愛物語。同性愛の物語だが、ここで描かれている恋愛の情けなさと愚かしさと美しさは、異性愛者の胸にだって響くはず。ギベール自身の露悪趣味と恥じらいの微妙なバランスも面白い。
公開日:2015年6月4日

推薦者名:遠藤 文彦

1950年にとある東北の町に生まれ、1970年前後に東京で学生生活を送った一女性が自らの半生をつづった手記です。そこに描かれた時代は、半世紀近く後に生まれ、2010年代に学生時代を過ごしている皆さんにとって、郷愁を感じ、共感を覚える部分と、異空間であり、別世界ともいえる部分とをあわせ持っています。皆さんにはこの感動的な一冊を、自分たちの時代の意味を深く考えさせてくれる貴重な証言として読んでもらいたいと思います。

公開日:2015年5月28日
推薦者名:竹安 大

大学の授業ではレポートを課題として課されることがよくありますが、なかなかうまく書けずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。この本では、良いレポートを書くために必要となる様々なスキルが紹介されていて、そもそも何から始めたらいいのかわからないという人から、ある程度は書けるがどうしたらさらに良いものにできるか知りたいという人まで、それぞれが次の段階に進むためのヒントが得られるはずです。大学1~2年生くらいの人が読むのにちょうど良いと思います。
レポートの書き方については様々な本が出ていますが、この本をお薦めする理由は大きく2つ。
1つは、タイトルに「学生による学生のための」とあるように、学生の目線で書かれていること。大学生としての心構えなどにも触れながら、様々なアドバイスが書かれているので、特に大学に入学したばかりの人が読むと参考になることが多いでしょう。
2つ目は、具体例として良い例と悪い例がともに挙げられていて、かつその分量が大学に入学したばかりの人にとって多すぎず少なすぎず、適度であろうと感じられること。具体例をざっと見てみるだけでもいろいろなことを学べると思います。
最後に、この本は皆さんと同じ大学生によって書かれています。本は偉い先生が書くものだと思っている人も多いかもしれませんが、努力次第で皆さんも学生のうちにこうした本を出版したり、起業したりすることだって可能です。この本を読むことで、レポートの書き方以外の面でも刺激を受け、皆さん一人ひとりが自分の可能性に気づくきっかけになってくれれば・・・と願っています。
公開日:2015年2月24日
推薦者名:大津 敦史

 本書は、アメリカ、日本、その他多くのグローバル企業でこれまで成果をあげてきた最短でグローバル人材になるための、いわゆる「21世紀型学習法」を公開したものです。
 著者は、日本の大学の大学院修了後、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学やトロント大学で学んだ後、イギリスのケンブリッジでの短期留学を経て、アメリカのハーバード大学にその当時あった女子専用のラドクリフ・カレッジに付設されたバンティング研究所で、研究員として新機軸のプロジェクトに参加しています。そのプロジェクトの主なテーマは、ある国や地域固有の価値がどのように他の国や地域に伝播して衝撃を与え、新しい芸術を生んだり、ビジネスモデルを作り出したりという「文化の世界伝播」についてでした。その後、アメリカのボストン郊外で、アメリカ初の異文化マネジメント研修会社を設立し、「タイム誌」に紹介されるなど一躍話題の人となり、数多くのグローバル企業で人材育成や世界市場での戦略策定などを担当してきました。
 そのような著者曰く、日本はこれまで様々な要因から、グローバル化の波に乗り遅れてしまっているけれど、驚くほど豊かな伝統と技術があり、グローバルな潮流にぴったりあったマインドセットに切り替え、時代の先を行く学習方法を身に付けられれば、きっと世界に冠たる国として再生することができるでしょう。本書は、そのような著者の期待と願いを込めて著された「日本人のためのグローバル人材への道」を説くものです。
 私のゼミでは、夏休みの課題として全員に読んでもらい、レポートを書き、その後お互いのレポートを批評してもらいました。その一連のタスクを通じて、真の「グローバル化」の意味を理解し、どのようにすれば「グローバルマインド」を獲得することが可能か、その術を会得することができたようです。
 ぜひ一度、皆さんにも本書を手に取ってお読みいただきたいと切に願っています。
公開日:2014年12月26日
推薦者名:徳永 豊

人と話をしようとすると言葉が消えてしまう自閉症の著者が、自ら体験していることがらをパソコンの文字を打つことで私たちに伝えたものです。Q&Aの形式になっていて、自閉症である人が、周囲をどうとらえて、どういう理由で、少し変わった行動になるのかを理解できます。いつも落ち着きがなく動いてしまうのは、そうする方が落ち着くからであり、「落ち着きなさい」といわれて動かなくなると、落ち着けず不安が高まるとのこと。なるほど、と読みました。20ヶ国以上で翻訳出版されている反響の大きな本です。興味のある方は、是非!!!
公開日:2014年7月8日
推薦者名:添田 祥史

食、教育、地域再生。このいずれかに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
著者の近江さんは、東京でも指折りの進学校を卒業するも、大学に進学せずに、北海道を徒歩で放浪しながら漁師をめざします。今でいう6次産業に取り組み、ネット販売の魚部門で日本一の売上を築くも、転覆事故をきっかけに事業を辞め、地域や社会に貢献する道を選びます。その後に手がけた実践がすごい。
都市と農村をつなぐ。生産者と消費者をつなぐ。学校教育と地域再生をつなぐ。
いろんなヒントとドラマが詰まった一冊です。
公開日:2014年6月24日

推薦者名:森澤 万里子

子供を身ごもったある女性が不思議な老人に,生まれてくる子供のことで一つだけ願いをかなえてやろう,と言われます。彼女は散々考えたあげく,時間切れ直前に,この子が全ての人に愛されますようにと叫ぶのですが生まれた子,アウグストゥスの運命はいかに…
「愛」をめぐるヘッセの珠玉の名作です。

公開日:2014年5月20日
推薦者名:伊藤 亜希子
 
在学中に教職課程の授業を履修し、教員免許を取得しようとする人、教育に興味がある人に是非読んでもらいたい本です。著者がこれまでの調査研究で拾い上げてきたさまざまな教師の声をもとに、教師がどのような経験を通して教師として育てられていくのかという点に着目し、「教師が育つ条件」を検討しています。教師は子どもを育てる仕事をしていますが、それと同時に子どもや保護者、他の教員との関わりのなかで教師自身も育てられていきます。今日の教師が置かれている状況、教師に求められる資質や能力、教師の成長につながるさまざまな機会について、教師の声を多く紹介しながら論が進められるので、非常に読みやすい本です。教師の実際や現在の教師を育てていくさまざまな制度の諸課題などについても、具体的に触れることができます。
公開日:2014年5月20日
推薦者名:伊藤 亜希子

今を、そして未来を生きるために、私たちは過去から学ぶものが数多くあります。この短編集は、<普通>のドイツ人がナチス支配下でどのように暮らしていたのかを描いたものです。当時のドイツ人が知らず知らずのうちにナチス・ドイツの体制に順応していった様子、隣に暮らしていたユダヤ人を「ご近所さん」として当たり前に匿おうとした様子などが、著者の実体験や実際に見聞きしたエピソードを下敷きに物語として描かれます。多感な10代をナチス支配下のドイツで暮らした世代が当時を思い出しながら語る物語は、単にナチスの思想を非難するにとどまらず、当時を生きた人々のさまざまな感情を私たちに伝えてくれます。
世代を超えて、語り継いでいかなくてはならないこと。著者は物語という形でこのことに真摯に向き合っています。過去に向き合うことなしに、私たちはしっかりとした未来を築くことはできないのではないでしょうか。この本が私たちの過去・現在・未来について考えるきっかけになればと思います。
公開日:2014年5月20日
推薦者名:伊藤 亜希子

アンネ・フランクの名前は聞いたことがあっても、日記を読んだことがあるという人が最近少なくなってきました。ユダヤ人であるアンネは、ナチス・ドイツのユダヤ人迫害が進む中で、約2年間の隠れ家生活を送りました。その最中も彼女は日記を書き続けます。10代の少女の夢や希望、親子関係、恋について、ときには軽やかに、ときには苦しみを伴って彼女はことばを綴ります。そして、ユダヤ人迫害が進む社会における理不尽さ、戦争や平和について、少女の視点から鋭く捉えています。
差別や偏見から生じる理不尽さ、不平等、争いなどは、私たちが生きる現在の世界でも未だに課題として存在しています。彼女が日記を通して今日もなお私たちに語りかけるものを、是非大学生の若い感性で捉えてほしいと思います。
公開日:2014年5月13日

推薦者名:山本 大地

「庭に木がある」と言うが「庭で木がある」と言うと不自然なことは、日本語を母語とする我々は即座に判断できる。しかしそれがなぜかと問われて答えられるだろうか。「えーと『庭でパーティがある』とは言えるから、『で』というのは『木』のようなモノではなくてデキゴトの場所を表す言葉なんだ!」等と考えたあなたは一つの立派な仮説を立てたと言える。しかし、四色ボールペンのような便利なものは日本にしかないと思っている人に対して「四色ボールペン、北京でありましたよ」と言うのは不自然ではない。「四色ボールペン」はデキゴトではなくモノなのに...
 本書は体験を語りたがる人間の煩悩という観点からこのような現象に説明を試みたものだが、仮説を立てる→反例を挙げる→新たな仮説を考える、という学問の基本な手順を学ぶ上でも得るものが多いだろう。

公開日:2013年7月4日
  • 人間臨終図巻
  • 山田風太郎著
  • 1:280.4/Y19/1-1 2:280.4/Y19/1-2 3:280.4/Y19/1-3 4:280.4/Y19/1-4
推薦者名:平松 智久

英雄、武将、作家、芸術家、芸能人から犯罪者まで、ありとあらゆる「死に様」だけが年齢順に羅列されたこの二冊の伝記集は、私たちに今「いかに生きるか」を問いかけてきます。『上巻』で紹介されるのは、15歳から64歳までに命を落とした455名の生。『下巻』で描写されるのは、65歳から121歳で死を迎えた450名の命の輝き。試しにあなたの現在の年齢のページを開いてみてください。きっと自分の今までの人生を振り返らざるにはいられないでしょう。明日を生きのびるために、是非手に取ってもらいたい本です。
公開日:2013年5月23日
推薦者名:遠藤 文彦

今話題の建築家による今話題の本です。今話題の本など普段あまり読まないのですが、後で読むより、今読んでおいた方が面白いというか、精神的にためになるよ、と人に薦められて読んでみたところ、本当にそうだと思ったので、さっそく学生諸君に(教職員のみなさんにも)推薦してみようと思いました。建築の話自体も面白いですが、もっと懐の深い本です。
公開日:2013年5月16日
推薦者名:渡部 智也

長編小説で有名な19世紀イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの短編集。人間の暗い異常な心理を探求した、やや幻想的な作品が11篇収録されているが、その中でも秀逸なのが「追いつめられて」。この作品は、その題材を含めて全く古さを感じさせないミステリーとして純粋に楽しむことが出来る。本作に魅了された方は、是非この作品のタイトルがなぜ「追いつめられて」と受動態になっているのかについても考えてみてほしい。
公開日:2013年5月16日
  • 白衣の女
  • ウィルキー・コリンズ作 ; 中島賢二訳
  • 上:080/I95-2/4-284-1 中:080/I95-2/4-284-2 下:080/I95-2/4-284-3
推薦者名:渡部 智也

イギリスのミステリーと聞くと、誰もがまずシャーロック・ホームズを思い浮かべると思うが、それよりも数十年前の段階で、「イギリス最初の本格ミステリー」と称される作品を書いたのがウィルキー・コリンズである。本小説は、そんな彼の代表作品。翻訳で文庫本3冊、と非常に長いように思うかもしれないが、いったん読み出すと止まらなくなるほどおもしろい。そして、今から150年以上も昔に、21世紀の今なお「読める」ミステリーを書いた人間が海外にいるのか、と感嘆したくなる。
公開日:2013年4月16日
推薦者名:遠藤 文彦

バレエを見たことはないけれども、バレエに全然興味がないわけではない、バレエとは何なのか、できれば知りたいと密かに思っている人、少しでもいいからバレエの世界を垣間見たいと常々思っていた人、そんな人には、バレエの魅力、バレエの歴史を分かりやすく綴った本書がお薦めです。著者のバレエに対する愛と情熱を率直に表す一文―「バレエは素晴らしい芸術です」―から始まるこの本を読めば、読者は絶対にバレエの魅力、バレエの素晴らしさに目覚めるだろうと確信しています。
公開日:2013年4月10日
推薦者名:桑原 隆行

フランスの映画監督が書いた小説である。ショートカットの女性にだけ特別惹かれるトマという27歳の男が主人公の物語。彼は、30歳までに結婚相手(もちろん理想的なショートカットでなければならない)を見つける、と家族の前で宣言するのだが。パリは広い、どうやって見つける?嬉しい偶然と不意打ちに満ちた軽快で素敵な物語を楽しんでほしい。
公開日:2013年4月1日
  • NOVIS(新入生のための人文学案内)
推薦者名:片岡 宜行

人文学部では、お薦めの図書を『NOVIS』という冊子で紹介しています。『NOVIS』は人文学部ウェブサイトで読むことができますので(以下のURL)、他学部の皆さんも是非ご覧ください。様々な専門を持つ約30人の教員が執筆していますので、きっと興味を持てる本に出会えるでしょう。


http://www.hum.fukuoka-u.ac.jp/index.php?novis/index.html
公開日:2010年3月5日
推薦者名:桑原 隆行

 「同時に複数の相手に恋愛感情を抱くことはない?」,「恋にかまけて食欲を忘れる動物たち」,「恋する脳をスキャンしてみたら」,「どんなに愛するパートナーがいても人は浮気する?」,「モテたいという思いが人間の能力を開発した」,「人類最古のラヴレター」等,こうした目次に読書欲,好奇心を刺激される人は読んでみるといいでしょう。
公開日:2010年3月5日
推薦者名:桑原 隆行

 題名が「若い読者」となっていますが,どれほど図々しくても年齢的に決して若いとは言えない私のような読者にとっても面白い示唆に富んだ本でした。吉行淳之介,小島信夫,安岡章太郎,庄野潤三,丸谷才一,長谷川四郎の小説が,村上春樹という書き手・小説家の視点で読み解かれています。
公開日:2010年3月5日
推薦者名:桑原 隆行 

ミーナという少女はマッチをつけるやり方が芸術的に美しく,カバのポチ子に乗って通学する。「彼女に出会う以前,私にとってマッチはマッチ以外の何ものでもなかった。ところがひとたび彼女がマッチ箱を取り出すと,それは無言の儀式にもなり,敬虔な祈りにもなることを知った。」
公開日:2009年4月7日
推薦者名:ピーターズ,J.M.

I am planning to research Robert E. Howard's life and work, and this is a potentially valuable book for that project.
公開日:2009年3月18日
推薦者名:桑原 隆行 

 こういう不思議なタイトルが好きな人、ピアノ曲が想像・創造させる物語が気になる人は読んでみたらどうだろう。少年少女時代の記憶と情景が浮かび上がってくる。そして、森絵都さんの語りが気に入ったら、『永遠の出口』なども読んでみるといい。ぼくには、文庫本の解説を角田光代さんが書いているのも嬉しかった。
公開日:2009年3月18日
推薦者名:桑原 隆行

 ぼくは、目次の「転校生の会」や「完璧なキス」に一目惚れのように惹かれて買った。タイトルの誘惑には素直に無抵抗に従うのがいいと思う。角田光代さんの小説に描かれているのは様々な気分だ。さらに、奇妙な関係の恋人たちが出てくる『太陽と毒ぐも』、二人の女優さん夏川結衣、財前直見が出てる映画にもなった『対岸の彼女』。これらを読むのも素敵な時間だ。
公開日:2009年3月18日
推薦者名:桑原 隆行 

 小川洋子さんの物語に満ちている匂いや静かで密やかな音を味わったら、何度でもまた味わいたくなる。「それからいよいよスポイトで、香料の一滴をすくい取る。香りが逃げないよう、素早く蓋を締める。」不思議な職業の人たちが出てくるのも気になる。『薬指の標本』(これはフランス映画にもなっている)、『海』、『密やかな結晶』なども読んでみよう。
公開日:2009年3月13日
推薦者名:ピーターズ,J.M.

These are excellent audio books of the classic works of children's literature by C. S. Lewis and therefore would be great to have in Fukudai's library, for scholarly research, English language ability improvement, and student's interest.
公開日:2009年3月13日
  • The Iliad (Compact disc)
  • Homer ; translated by Robert Fagles ; read by Derek Jacobi
  • disc 1:991.1/I39/1 disc 2:991.1/I39/2 disc 3:991.1/I39/3 他 全8disc
推薦者名:ピーターズ,J.M.

This is an audio recording of most of a popular translation into English of Homer's classic epic poem The Iliad and would therefore be of great use for Fukudai students and teachers (of English, history, and literature).
公開日:2009年3月13日
推薦者名:ピーターズ,J.M.

I am planning to research and write an article about Robert E. Howard, and this book is an important biography of his last years.
公開日:2008年5月16日
推薦者名:光冨 省吾

 「作品」は、「作者」だけが作るのではなく、編集者、時代の流れ、大衆の欲望などがブレンドされて作られて行くということがわかる1冊。
公開日:2008年3月31日
推薦者名:桑原 隆行

 伊坂さんの作品の舞台は多くが東北宮城県の仙台。暗殺テロ事件の犯人にされた無実の男が主人公だ。仙台の街に潜んだ彼は、彼を信じ愛してくれる人たちの助けを借りて巨大な組織の追跡を逃れる。最後に自由を手にするまでのスリリングな顛末が語られている。主人公に加担して読んでいた読者は涙を流す。他、『アヒルと鴨のコインロッカー』、『陽気なギャングが地球を回す』など、小説でも映画でも楽しむことができる。
公開日:2008年3月31日
  • 蜜月
  • 小池真理子著
  • 913.6/KO31/2
推薦者名:桑原 隆行

 一人の画家(男)と関わりのあった女性たちの物語。画家死亡のニュースを知って、それぞれの女たちの記憶が蘇る。その男との蜜月のような快楽、狂おしい欲望を満たすことだけに耽溺していた日々。それらが失われた後も、たくましく、淡々と女たちの人生は過ぎていく。小池真理子さんの本は他に、『恋』、『虹の彼方』、そして最新作『望みは何と訊かれたら』などを読んでみたらいかがでしょう。
公開日:2008年4月28日
推薦者名:川島 浩一郎

とても楽しい本です.フランス文化に興味のある方におすすめします.
公開日:2008年3月31日
推薦者名:桑原 隆行

 甘くほろ苦い恋物語を読んだ後は、黄色い箱のキャラメルを好きな誰かにプレゼントしてみたらどうだろう。もちろん、自分の口に一粒放り込んでみるのも悪くない。そういう気分になるはずだ。この本が原作になった映画『シュガー&スパイス』を観るのも素敵な時間になる。柳楽優弥と沢尻エリカが出ている。沢尻エリカから、ぼくの思い出は映画『クローズド・ノート』や小池真理子著『エリカ』へとつながったりする。
公開日:2007年10月18日
推薦者名:古川 智次

伝統芸術は豊かさの芸術で、現代芸術は「場」の芸術であるという視点は新鮮である。著者はシュルレアリスムの研究者。本書では現代芸術の原点とも言うべきマルセル・デュシャンー男性用便器にサインをしただけの作品「泉」(1917年)はどの美術の教科書にも出てくるーに多くを割いているが、全体を通して解説は明解で説得力がある。文明社会における現代芸術の意義について、「現代に生きる者の生活を活性化する芸術、現代生活のなかのストレスを緩和し、生きのびる活力を注入するもの、それが現代芸術なのだろう。」と述べているように、本書は現代芸術論というよりむしろ、現代芸術文化論ともいうべきものである。現代芸術は難しいと考えている方に薦めたい。