図書館報
No.52. 1989. 1


情報化社会における図書館
−図書館長就任の辞に代えて−
図書館長 石田 重森

 社会全般にわたって情報化・ソフト化が進展し、知識・情報・サービスが重視されるようになった。他方では、視聴覚機器・資材の進歩、さらにコンピュータ、通信ネットワークの発達などにより、情報の収集・所蔵・処理・伝達の技術が驚異的に発展した。こうした状況の下で、図書館の機能・あり方も大きく変化しつつあって、図書館新時代を迎えようとしている。すなわち、文献・資料を収集・保管して閲覧者を待つ図書館から、高度で多様な情報を大量に収集・所蔵して、様々な形態で提供し、所蔵してない情報を他のデータベースから中継して提供するなど情報源・情報基地としての図書館へと変貌している。高度情報化社会にあって、人々にとっては、膨大な情報の中から必要な情報を迅速に適切な形態で利用できることが大切なのであり、これに応えるのが図書館なのである。
 福岡大学図書館でも、図書・学術雑誌に加えて、マイクロフィルム、マイクロフィッシュ、ビデオテープ、カセットなど多種多様な資料を所蔵し、それらの利用のために VTRやオーディオ機器などの各種機器を備え、種々の情報サービスを提供できるようにしている。さらに、図書館業務のコンピュータ化に取組んでおり、1987年から富士通図書館統合システム(ILIS)を導入し、全蔵書の所蔵データを入力して1988年4月から予約・貸出し・返却などの閲覧業務をすべてコンピュータ処理するようにした。

1987年12月以降受入れの図書については書誌データのデータベース化を図り、オンラインによる目録検索も可能にした。1989年度からは、端末機を増設して閲覧者自身によるオンラインの目録検索もできるようにする予定である。すでに数年前から、JOIS、DIALOGの二つの商用情報検索システムを導入し、学外のデータベースのオンライン検索もできるようになっており、1988年からは、学術情報センターと接続してそのネットワークに加入し、国の図書・雑誌所在情報データベース形成のための、オンライン目録システムによる分担目録作業にも参加している。さらに現在は、人文・社会科学分野の既蔵図書について遡及入力・データベース化も計画中で、数年後には蔵書の検索がまったくカードなしでできるようにしようと作業を始めたところである。今後、図書館の相互協力ネットワーク化がさらに進めば、一段と迅速かつ効率的な検索と情報選択が可能となるであろう。
 図書館関係者を挙げて、福岡大学の研究と教育の発展のために、多様な文献情報を収集し、高水準で特色ある蔵書構成の充実を図ると同時に、閲覧サービスの一層の向上に努めるよう期している。
 図書館利用促進、とくに学生諸君の積極的な活用を期待する次第である。
(商学部 教授)


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