視聴覚資料利用室へ行く
紙屋 正和

 9月末、図書館から「視聴覚資料利用室案内」をもらった。これまで教材用・研究用のビデオテープなどを購入してきたが、利用はしていない。視聴覚資料利用室が新しく開設されたのを機会に、のぞいてみることにした。
 中央図書館4階にのぼると、第一視聴覚資料室入口近くに資料目録(カードボックス)がある。それによると視聴覚資料とはビデオテープ、マイクロフィルム、マイクロフィッシュ、録音テープ、映画フィルム、スライド、ビデオディスクなどをいうらしい。資料目録は(1)著者名・作者名、(2)書名・題名、(3)分類(日本十進分類)、(4)種類(ビデオテープ、マイクロ類……)にわかれている。
 第一視聴覚資料室にはいると、所蔵資料の一部が配架され、その奥に顔見知りの向井さんがおられた。向井さんによると、ビデオテープと録音テープは視聴覚資料利用室を、マイクロ類は奥のマイクロリーダープリンターを利用し、映画フィルム、スライドは映写機とともに借り出して410共同研究室で映写するのだそうだ。ビデオディスクにはNHKの「シルクロード」、「大黄河」や「美の美シリーズ」など興味深いものがあるのを知っていたが、現在はソフトしかなく、LD・CDを再生できるマルチレーザープレーヤーを購入すべく予算請求中とのこと。来年に期待しよう。
 「視聴覚資料・機器利用申込書」(教員・学生共通)をもらって資料目録の設置場所にもどり、書名・題名のカードで、見ようと思っていた「秋岡コレクション世界古地図集成」(河出書房新社)を検索し、請求番号・題名などの必要事項を記入してFUL CARDと一緒に提出した。早速さがしてもらったが、当該テープはない。ある先生が借り出し中のようである。ここの資料は学生の場合、館内利用しかできないが、教員は必要手続きをとれば7日以内の館外利用が可能である。目的のものがない以上、かえってもよいのであるが、折角だから、あらためて「東大寺大仏殿昭和大修理・総集編」(岩波映画製作所)をみることにした。今度はあった。

 ヘッドホンと鍵を借りて利用室にはいる。AV ブースは6席しかない。2万人以上の学生で6席とは少ないが、聞くと1日平均3人程度の利用とのことで、いつも機器はあそんでいることになる。もっと利用してもらいたいものだ。1台だけ大画面で複雑な装置がある。外国で購入してきたテープも再生できるそうである。指定された5番にすわり、利用説明書にしたがって、鍵をまわして電源を入れ、テープ、ヘッドホンをセットし、再生ボタンを押す。操作は簡単だ。小さな画面にまず落慶法要の様子がきれいに写し出され、ついで大仏殿の歴史、大修理の工程へと変わっていく。右上の天井で監視用カメラが常時作動し、第一視聴覚資料室のテレビに写し出されている。多忙な向井さんが私を監視しているとも思えないが、変な態度をみられるとあとでこまるから、真面目に見た。見ながら、1978年秋にゼミ旅行で奈良に行ったとき、大仏殿に覆いがかかっていたのを思いだした。大修理の最末期だったのだ。
 見終ってテープを巻き戻すと12時に近い。12時から30分間は昼休みである。いそいでテープを返却し、最後に第三視聴覚資料室を見せてもらった。ここは閉架書庫に相当するものであるが、学生も中にはいれる。一番奥に「NHKシェークスピア劇場」のビデオテープがズラリと並んでいる。最も利用が多いとのことである。しかし、まだ所蔵資料は少ない。図書館では視聴覚資料の整備、充実に努力しているが、教員・学生からの購入希望もうけつけている。申込み方法は図書購入の場合と同じで、教員は「図書購入請求(注文)書」に、学生は「希望図書申込書」にそれぞれ必要事項を記入して提出すればよい。
 12時ぎりぎりに退出した。「秋岡コレクション世界古地図集成」が返却されたら、そしてマルチレーザープレーヤーが購入されたらまた来よう。
(人文学部 教授)


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