図書館報
No.58.1991.1


フランス雑感
貞国 孝昭

 1989年に2回渡仏する機会を得た。フランスではこの年革命200年祭にあたり様々な行事が開催されていた。特にパリ市再開発地区の一つであるデファンスで開催された先進国首脳会議(パリ・サミット)は記憶に新しい。これまで数回の渡仏で私自身が感じた印象を簡単に述べてみたい。
 1789年“7月14日”(le Quatroze Juillet)に勃発した革命についてはこれまで多くの歴史学者、文学者が紹介している(例えば A. Franceの「神々は渇く」など)。

入学準備機関である著名なLycée(例えば、Louis Le Grand, Henri IV)に入学し熾烈な競争を展開する。これらのGrandes Écolesの中でトップに位置するのが ENA(École Nationale d'Administration)である。現首相ロカール等著名な人達がOBである。これらGrandes Écolesの卒業生が仮に民間企業に就職を希望する場合、企業はこれら卒業生の出身学校別に初任給に差をつける。企業がこれらのGrandes Écolesにどのようなランク付けをしているか簡単に紹介してみよう。
現在フランスの内外でこの革命の意義についてフュレ、ハントなどの研究者が再検討をしているがどのような方向に進むか興味がある。さらにナチス占領下のフランス国内情勢の分析をフランスの研究者が積極的に進めていると聞くが、92年のEC統合を迎えるにあたって、
 第1グループ;ENA、国防省理工科学校、パリ鉱山学校、高等師範
 第2グループ;国立土木学校、パリ高等商業学校
 以下第3、第4……グループと続く。
 日本で出身大学別に初任給が異なると大きな社会問題となるであろう。
フランス人がどのような結論を出すか興味がある。
 次に私が興味を持ったものにいわゆるGrandes Écolesの特色がある。一般のuniversitéと異った目的で設立されたこれらの高等教育機関はフランスでは前者よりはるかに高い評価を受けている。フランス政・官・財界のトップに立とうという若者達はGrandes Écolesの中でも最も著名な学校に入学しようとし、

このような問題がフランスで発生していないということは、やはり階級社会の名残りであろうか。通常の universitéの卒業生の就職事情は相当異っているようである。
 まだ書きたいことが多くある(フランス経済学の現状、パリ再開発など)が紙面の都合上割愛する。別の機会に述べてみたい。
(経済学部 助教授)


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