「福岡大学学園通信」第116号(平成2年11月20日発行)は「私が薦めるこの一冊」と題して53人の先生方による推薦図書を特集していました。そこで推薦されている図書の中にはもちろん図書館で借りられるものが数多く含まれています。さて、オンライン目録検索でヒットするのはどれとどれ? 実際に借りなくても検索の実習例題としてやってみたら……

 紹介されている図書は重複を省くと50点でした。ここでは紙数の関係上、右側のページにあった和図書23点について検索を実行してみましょう。
 紹介では書名、著者名が見出しとして掲げられており、簡単な推薦文のあとマル括弧のなかに出版者、または叢書名が付されています。これらは何れも目録検索では重要な検索対象語となりますが、「はっきりと書名がわかっている特定の図書は書名検索が適当」ということで、すべてを書名検索でやってみることにします。

(1) 「大地 パール・バック著」
(2) 「ヘレン・ケラー自伝 ヘレン・ケラー著」
(3) 「魅せられたる魂 ロマン・ロラン著」
(4) 「パンツを捨てるサル 栗本慎一郎著」
(5) 「嘘の効用 末弘厳太郎著」
(6) 「情景のなかの労働 内山節著」
(7) 「福翁自伝 福沢諭吉著」
(8) 「覇者の騎り ハルバースタム著」
(9) 「イギリスと日本 森嶋通夫著」
(10) 「森と水の経済学 福岡克也著」
(11) 「地球環境報告 石弘之著」
(12) 「方法序説 デカルト著」
 この例題では次の諸点に注意してください。
 「ヘレンケラー自伝」では“・”(中黒)も省略せずに入力します。
 「眞晝の海への旅」のように旧字を使用してあるものは常用漢字表にある
どれだけヒット?「私が薦めるこの一冊」オンライン目録検索ABC(その3)
(13) 「春宵十話 岡潔著」
(14) 「片目の哲学 なだいなだ著」
(15) 「孔子 井上靖著」
 これらは著者と書名とが合致している書誌ですが、紹介されている当の図書とは違うものも含まれています。
字体「真昼」に変えて検索キーとします。
 「沈黙の春 生と死の妙薬」は図書館では本書名=沈黙の春、副書名=生と死の妙薬、というように分解して処理しますからどちらで検索してもよいことになりますが、「沈黙の春 生と死の妙薬」のように続けて入力すると、たとえ空白をちゃんと入力していてもノーヒットになりますから注意しましょう。
 その他、漢字の入力法についてはちょっとしたテクニックを覚えておくと便利です。
 例えば「ふくおう」として漢字変換キーを押してもなかなか「福翁」とはなりませんから「ふく」の変換で「福」、「おきな」の変換で「翁」を入力する、また、「魅力」として「力」を削除してから、「せられたる」を続ける、というふうに自分が持っている漢字の知識をどんどん活用しましょう。要は当の漢字を出せればよいのですから。
 さて、検索の結果はどうなったでしょうか?
 23点のうち次の15点がヒットする筈です。

 例えば「大地 パール・バック著」では共和出版社のものが2点と河出書房のものが1点ヒットしますが、いずれも紹介されている「新潮文庫」の版とは違います。これらの“版”はどのように違うのか、詳細表示画面で慎重に検討してみてください。
 次の3点は遡及入力作業をまだ済ませていないのでオンライン目録検索ではノーヒットになりますが、図書館には所蔵しています。中央図書館3階の総合カード目録で検索してください。
(13) 「沈黙の春 レイチェル・カーソン著」
(14) 「自動車の社会的費用 宇沢弘文著」
(15) 「科学と創造 H.F.Judson 著」
 以上のほかの5点は図書館にはありませんでした。ただ、その著者の別の著作ならそれぞれに所蔵していますから著者名検索や著者キーワード検索もしてみたらどうでしょうか?


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