図書館では図書、雑誌、視聴覚資料など年間5万点にのぼる資料を受け入れています。これら受け入れられた資料は、1点1点について書誌・所蔵データが作成され図書館総合データベースに登録処理されています。利用者は、OPAC や WEB 検索システムを使って自由にデータベース へ アクセスすることができますし、さらに図書館ホームページからは、FirstSearch などの外部データベースや電子ジャーナルを利用することもできます。
 しかし、キー入力できない文字やキー入力できても表示、印刷ができない文字については他の方法でデータを得なければなりません。また、画像や音声など文字以外の情報を入手したり、ファイルを作成することができなければ、研究・教育に必要な情報を満足させることはできません。図書館で所蔵する資料を考えてみても、貴重書などブラウジングが困難な資料や古文書など筆写された資料、図版や地図などといった利用者に広く自由に提供することができない資料が多々あります。
 そこで図書館では、平成10年度に文部省の補助金を受けて「図書・目録情報メディア変換処理装置」として画像処理システムを導入しました。これを使って図書館では、(1)本学が所蔵する貴重書類を画像処理してデジタル化することにより、原典テキストを提供する(2)簡体字、ハングル、ギリシア文字など、現在運用している図書館システムでは作成が困難な文字情報について、テキストをメディア変換してファイルを作成し OPAC で検索できるようにする(3)紀要類をメディア変換することにより、編
集・発行を容易にするとともにコンテンツなども検索利用できるようにする(4)資料の目次やコンテンツなどをデジタル化してファイルを作成し、インデックスやキーワードを張りつけ検索利用を容易にしたり、二次資料ファイルの創成を進めるなど、図書館システムの機能のアップと充実に向けてマルチメディア・システムの整備を行っていく予定です。
 すでに「グリム兄弟展」と銘打って、中央図書館2階ロビーで原資料を展示するとともに、図書館ホームページで架蔵するグリム兄弟の主な著作を公開しました。さらに、7月初旬には、「ローマ法とその周辺」と題して本学が所蔵するヨーロッパ法コレクションの中から、「ローマ法大全」についての関連書を公開する予定です。また、本格的な画像データベースとしては、「ローマ法大全ゲバウエル&シュパンゲンベルク版」のテキストの中から『法学提要Institutiones』の全文をデジタル化してファイルを作成します。これには、法源番号を基準に索引を付けるとともに、各条文の見出し語やキーワードで検索できるように検索語を作成します。画像ファイルはPDFで作成し、拡大・縮小が可能です。インターネットで公開もする予定にしていますので、原典テキストを直接研究や学習で利用できると同時に、関連する法源を自由に取り出せ、法源解釈に大いに役立てることができるとおもいます。今後も図書館としては、マルチメディア・システムを整備拡充していく予定ですので、図書館のホームページを通して大いにご利用ください。
              (図書一課 高木秀人)


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