図書館報タイトル画
No.85. 2000.1


開かれた図書館をめざして
-館長就任にあたって-
図書館長 芹澤 数雄

 バブル崩壊後の不況に突入してからすでに10年、いまだ経済に明るさは見えず、少子化の要因も加わり大学の置かれている経済環境はより厳しい時代を迎えています。
 このような時、図書館長に就任するにあたり、その責任の重さに身の引き締まる思いがします。また、図書館の抱えております数多くの難問の存在は、我が身の非力さを痛感させる次第です。
 前図書館長から引き継ぎました図書館の課題は次のようなものであります。
1 新図書館構想の策定と推進、それに関わる業務組織の見直しと改善
2 電子図書館に向けてのシステムの構築(LICSU-UXII への移行とシステムの機能強化、ニュー・メディアへの対応と学術情報の発信)
3 図書館施設の改善(分室の整備、書庫スペースの拡充、書庫空調対策、図書館設備の改善)
4 資料の充実とサービスの拡充(学生用図書の充実と更新、視聴覚資料の充実と施設の改善、レファレンス機能の強化、資料・情報提供のスピードアップ)
5 図書館専門職員の養成(ニュー・メディアに対応する職員の養成、職員の資質向上とサービスの拡充)
 これらの問題はどれをとりましても重要なもので、放置することは許されません。前館長、元館長の努力にも関わらず十分な解決を見ないまま今日に至った難問であります。
我が身の非才に思いをいたすとき、ただただ途方にくれるだけであります。しかし頭を抱えるだけでは問題の先送りになり、悪しき官僚制度の見本になってしまいます。そこで僅かではあっても問題を整理し、可能な限りの解決を目指さなければなりません。このようなとき、館長ひとりが遮二無二走っても問題は複雑になるだけで、解決の糸口を得ることはできないでしょう。落ち着いて状況を受け入れることから始めるしかありません。そこでまず見えてきましたのは、さまぎまな問題を解決するには、その問題に直接関わる人たちの意見を聴くことしかありえないということです。
 すなわち、図書館に関わる人たちの要望、問題提起などを虚心坦懐にうかがうことです。問題を痛感する人たちこそが(現場にいる人たちこそが)、問題を整理し、その解決方法を示唆するエネルギーをもっているものと思われます。必要は発明の母と申しますが、問題解決の必要性を実感している現場の人たちこそ、問題解決のエネルギーを備えているはずです。
 このような認識のもと、図書館に関わる人たちの要望、問題提起を積極的に受け入れるシステムを作ること、そのシステムが十分に機能するような環境を整えることこそが新館長としてのわたしの果たすべき役割だと理解したしだいです。
 これまで図書館は官僚的で、トップ・ダウンで
→(次頁へつづく)


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