フロリダ大学の図書館事情

秋山 獻之

 フロリダ大学は、アメリカのフロリダ州にある10の州立大学の一つで、州都テレハシーにあるフロリダ州立大学と並ぶ難関校である。1998年の4月から1999年の3月までの1年間、私は在外研究員としてフロリダ大学のホー教授のもとで数学研究に励んだ。フロリダ大学は日本では考えられない程広く、また多くの施設が完備していた。数学教室は、大学の北東に位置して西大学アヴェニューと南西13番通りの角に近いリトルホールと呼ばれる4階建ての建物にあり、1,2階が講義室、3,4階には教授の研究室、数学事務室、電算機室、談話室、セミナー室、院生の部屋等があった。
 数学研究には、雑誌と専門書等の図書の完備と電算機の利用の利便性が不可欠である。あいにく
私の専門の雑誌はほとんどそろっていた。北大、東北大、東大、京大、阪大、広大等の紀要もあり、数理研の報告集もあるのには驚いた。ビジターとして貸し出し期間は3ヶ月で特に冊数の制限は受けなかった。必要な本を20冊ほど借りて利用させてもらった。初めての更新の時、うっかり返却期間を何日か過ぎてしまい、1日何ドルかのペナルティーを財務課に支払う羽目になった。フロリダ大学に幾らか寄付することになったが、恥ずかしい限りであった。学生の場合は返却延滞を何度か繰り返すと科目登録を抹消されるそうである。
 図書館の開館時間は平日は朝9時から夜9時までで、日曜日は午後から開館する。各学期末の試験期間中には24時間開館される。
数学教室には分室がなく理系図書館まで出掛けていかなくてはならなかったが、リトルホールから歩いて5分ほどの距離であった。図書館はその他に文系図書館、医学部、教育学部にそれぞれあり、その他芸術学部や他学部 イメージ写真 夜間は大学構内といえども恐くて私は利用することはなかったが、日本人留学生の中には夜はほとんど図書館で過ごすという人もいた。学生たちはそれぞれに友人同士で課題を調べたり、教授や院生たちは雑誌を読んだり、
にもそれぞれの建物に分室があった。理系図書館の2階のフロアーには貸し出しカウンターと検索用のパソコンが20台ほどあり、反対側にはコピー機が5台ほど置いてある。相談カウンターも貸し出しカウンターの向かいにある。いつも検索のパソコンとコピー機は人で一杯である。コピーは1枚15セン
トで、プリペイドカードで支払う。本の1ページをコピー機のかどに当てて1ページずつコピーする。日本のコピー機と違うので少し戸惑った。数学関連は、3階に90年以降の図書・雑誌があり、4階にはシンポジュームの報告集等が、5階には単行本やシリーズ本が、1階には89年までの雑誌と単行本等がいずれも開架式で並んでいる。初めての雑誌を探すときは検索してでないとなかなか見つけられない。
コピーをしたりしていた。コピー機は各階にある。そこでコピーを取り終わった後、その本や雑誌はコピー機の横のワゴンに置いて行く。日本では利用者が責任を持って元の位置に戻しておくのだが、その残された本を元の位置に戻してくれる人がいる。これは私の想像だが、多分学生アルバイトの仕事の一つなのではないだろうか。貸し出しカウンターの仕事も一部の時間や夜間には学生がアルバイトとして働いているように思われた。
 文系図書館には日本の本が鴎外や漱石の作品をはじめとして多くそろえられていた。豊かな図書施設のお陰で私は快適な研究生活を送ることが出来た。
(理学部 教授)


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