再任にあたって 有岡 律子 図書館長

 このたび図らずも学長から図書館長再任のご沙汰を拝承しました。及ばずながら精一杯務めさせて頂きたいと存じます。皆様の変わらぬご指導、ご協力をお願い申し上げます。ついては、この機会に、一期2年間の反省を込め、図書館の近況をご報告申し上げたいと存じます。
 この2年間「愛され、親しまれる図書館に」を念頭に、図書館スタッフの皆さんとともに仕事をして参りました。果たして、教職員、学生、学外の方々から図書館は愛していただけるようになったでしょうか。
 学生の皆さんにはまず図書館のことを知ってもらい、利用のきっかけとなるよう努めました。このため、講義とタイアップした説明会の開催を増やしました。図書館のデータベースを利用する講習会は内容だけでなく時間帯等の希望も聞いて開催を決めるよう心掛けています。また、大学の他の施設と異なる使い方により不便になっていたパソコン環境を改善して他の施設と合わせ、これについては便利になったとご好評を得ているようです。学生の教養を高めるためのプログラムの一環である「選書ツアー」、「オーサービジット」等は、大学がテーマとして掲げている「アクティブ福岡大学」を意識して、学生が積極的に関われるよう内容を変えました。前者では、学生は選んだ本について従来は推薦ポップを書くだけでしたが、テーマに合致している点や、魅力的な点などを発表し、意見交換を行う会を設けたことで興味の範囲が広がったようです。後者では、学生から作家への質疑応答の時間を十分に設けるようにしました。
 ただ、学生の皆さんの要望に応えられていない点もあります。例えば、飲食スペースの拡充や利用頻度の高い学生への文具配布、図書館前スペースの宣伝活用、読書ノートの設置等で、これらの実現には問題が残っています。
 他方で、教職員の皆様にはご不満の点が多いのではないかと、忸怩たる思いです。例えば、研究、教育等のためには、紙媒体の資料だけでなく、

近年飛躍的に利用が増えている内外の電子ジャーナルやデータベース、電子書籍等の電子資料の充実が求められます。それに伴って情報関係のシステムの整備・拡充が必要ですし、大学からの研究成果の発信という意味で、リポジトリの整備、オープンアクセス化への対応等は不可欠です。
 このようななか、近年、合併等で拡大化、寡占化の傾向にある出版社は資料提供にあたり、値上げ、雑誌のパック売り等を進めています。これに対して大学図書館は連合しての出版社への価格交渉や、互いの資料融通などの努力はしているものの、抱える学部や規模の違い等もあり、単独で対応せざるを得ないことも多い状況です。図書館サービスの維持・拡充のためには今以上の予算が必要なことは明白ですが、その見通しは明るいとは言えません。価格交渉、契約形態の工夫等をしているものの、為替レートの変動によっては契約資料の廃止、入れ替え等についてご理解、ご協力を賜らざるを得ないこともあり、大変心苦しく存じます。
 福岡大学が私立大学図書館協会西地区部会長校を務めていたこともあり、各図書館の運営における工夫や防災への対応等の研究発表を聞くことや、他大学と意見交換する機会が多くありました。いずれの大学図書館も直面する状況は共通しており、その改善に注力している様が窺われました。
 図書館に配置される人員が減らされる傾向のなか、提供サービスの質・量を維持するために、スタッフは状況を理解のうえ努力をしているものの、今以上に、教職員の皆様にお知恵を拝借しながら限られた予算を有効活用できるよう工夫し、今注目されているAI(人工知能)では難しいサービス提供を心掛けることが求められると思います。
 来年から、開館期間がより長くなるようシフトも見直しております。一層愛される図書館になるようスタッフ一同努力してまいりますので、皆様の温かなご督励、ご支援を心よりお願い申し上げます。