No.11 |
バルトルス『ユースティーニアーヌス学説類集・古部
中央上方には、剣と天秤とをもった「正義」がいる。中心には、荒波の巌頭に止まる鷲がいる。鷲にかかる帯には、「鷲のように、おまえの若さはふたたび新たにされるであろう」(『旧約聖書・詩編』第103章第5節)とある。向かって右は剣と天球をもつ「世俗の権力」の象徴であり、左は鍵をもつ「霊的権力」の象徴である。下方向かって左には鼠をとらえた猫を、同じく右には火とかげを配する。上方、向かって左には三美神を、同じく右には、乳を胸から出す人魚を配する。いずれも、出版マークとして頻出する。
鼠をとらえた猫は、独立と敏捷さを、また、火とかげ(サラマンダー)は「苦悩に苛まれても、心の平安と神への信頼を失わない正義の人」を象徴する。 |
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