半紙本一巻一冊 西川龍章堂(にしかわ ・りゅうしょうどう)筆 弘化二年(1845)冬刊
佐賀白山町 観古堂(かんこどう)板
「實語教 童子教」は江戸期の寺子屋等で最もよく用いられた教科書の一つである。慶安三年板(1650)から慶應三年板(1867)迄、その板種は数多く、到底ここに尽くすことは出来難いが、その内の多くはそれぞれの時代の御家流の能書、能筆といわれた人の筆跡をそのまま模刻するのが通例で、手習いの教科書も兼ねたものである。
本書も又、西川龍章堂の筆によるものを刊行したもので、観古堂については未詳だが、当時このように各地方でそれぞれに刊行流布したものが多かったに違いない。