(タイトル)雅文学への誘い
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Ⅰ刊・印・修

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2(A). 永慕編(エイボヘン)
(刊)大本一巻一冊 熊阪台州 [編]
天明八年(1788)正月口上
江戸 須原屋(舟木)嘉助
久留米藩儒樺島石梁旧蔵本

 編者台州は、奥州伊達郡高子村(現福島県伊達市)の豪農。本書はその父覇陵山人を永慕する目的で編まれたもの。(A)が初版で、(B)が改刻本である。その違いは、本文はそのままで、挿絵のみがすべて改められている点にある。(A)本自序では、画者は、自らの仲間内で絵の巧みな者に依頼した旨が述べられ、挿絵の末尾に「周俊」「叔翰」の印文が見えるが、いかなる人物かは不明である。対して、(B)本自序では、同じ箇所が埋め木によって、谷文晁に頼んで描いてもらったと改められている。今日多く残っているのは(B)本で、(A)本は極めて珍しい。また、(A)本の末には、全国の諸君子に呼びかけて、台州宛に詩文を送付してほしい旨の詳細な書肆の口上が載っている。この呼びかけで集まった詩文は『永慕後編』(享和四年刊)として、後に刊行されている。

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