福岡大学図書館ヨーロッパ法コレクション
法学の源流をたずねて-すべての法はローマ法に通ず-
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第1部 ヨーロッパ法文化の基礎としてのローマ法・カトリック教会法  
 
No.7
ローマ版『教皇グレゴリウス9世教皇令集』


Corpus juris canonici. -- Decretales D. Gregorii Papae IX. : suae integritati, una cum glossis restitutae.
Romae : In Aedibus Populi Romani, 1582.
[14] leaves, 1966 columns, [4] leaves, 42 p. ; 36 cm.(fol.)
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標題紙
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  標題紙中央部分 ローマ法とならんで、カトリック教会法(カノン法)は、中世以来、ヨーロッパにおける法学の二大領域であり、これらを修めた者が「両法博士」と呼ばれた。
 『グレゴリウス9世教皇令集』は、ローマ教皇グレゴリウス9世(在位1227年-1241年)の命により編纂され、1234年に公布された。内容は、1140年ごろに成立した『グラティアーヌス教令集』所収以後からグレゴリウス9世にいたる歴代ローマ教皇令を集成したものであり、カトリック教会史研究にとってのみならず、中世から近代までの、とくに親族・相続法の研究にとってもまた、重要な史料となっている。
 福岡大学図書館が所蔵するローマ版は、ローマ教皇グレゴリウス13世(在位1572年-1585年)が出版させた。これにより、法文がある程度公定された、と言われる。
 体裁としては、中央に教皇令の原文を配し、周囲に注釈があり、さらに、その外側に注釈の注釈が施されている。この点では、『ローマ法大全』の体裁と同じである。
 標題紙にはローマを表す「ローマの元老院および国民」の略号S.P.Q.R.が見える。また、下方にあるのは、ローマ建国伝説の人物ロムルスとレムスを養っている狼である。向かって、左には「堅信」、右には「悔悛」をそれぞれ象徴する女性を配している。
 


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