![]() |
![]() |
![]() |
本州宗像(むなかた)の県(あがた)、武丸邑(たけまるむら)の正助が至孝(しいこう)の行状(ぎやうしやう)は、 竹田先生の正助伝、良民伝に出て、皆人の知る所なり。近頃、東武(ゑど)の官板(ごはん)に孝義録(こうぎろく)とて、 国々(くに/\)の□(良)民を撰(ゑらび)給ひたるが八千七百八十人に余れり。しかれども、これを読(よむ)に、正助に及ものさらになし正助也。 孝行はさらなり。御国恩(ごこくおん)をふかく重んじ、公役(くやく)を大事に勤、人の頼たることをおろそかにせず、非人(ひにん)、畜生(ちくしやう)にも情をかけ、 礼儀(れいぎ)を尽(つく)しければ、其徳(とく)に和(くわ)して教(おし)へずして、其辺(ほとり)の風俗あらたまりし□(こ)と、習はずして聖人(せいじん)の道にかなゐしぞかし。 又、享保十七年の西国蝗災(こうさい)□□天を拝してかくの如くなれば、御国に来年種あるまじ。私の田に災(わざはい)なくば、 |