![]() |
フランスにあって、17世紀に、体系的な叙述をおこない、『フランス民法典』編纂におおきな影響を与えた一人が、ジャン=ドマ(1625年-1696年)であった。 その主著が『自然的体系にもとづく市民法』である。これは、もともと、その息子の法学学習入門書として書かれたものであった。しかし、1689年の出版以来68回にわたって再刊され、また、多くの翻訳本がでた。その体系形成にあたっては、かのコナンやドノーの影響を認めることができる、と言われるが、ドマにとって、ローマ法こそは、フランスにおいて、「書かれた理性」として、もっとも重要な法源であった。実際にも、ドマは、ローマ法に通じ、その注釈をこころみ、その成果を残している。 福岡大学所蔵本は、1771年にパリで出版された刊本である。その第4-第5巻は、『公法』、第6巻は、ラテン語で書かれたローマ法の注釈『諸法の抜粋』である。 『市民法』は各国語に翻訳された。福岡大学図書館には、1825年-1831年にパヴィアで出版されたイタリア語訳本および1861年にボストンで出版された英語訳本(佐賀藩旧蔵書か?)が所蔵されている。 |
Copyright(C) 2006 Fukuoka University Library. All Rights Reserved.
|