![]() |
![]() |
![]() |
めし等の心得もあるとかや。
其それ/\に心をくばり、気をつけて自身に働き、其業に通達(つうたつ)して、下人(げにん)、雇人(やといびと)等に下知をして働かせるにあらざれば、ゆきとゞきがたかるべし。
寸陰(すこし)のいとまを惜みて、国の為と精力を尽し、一鋤一鍬も忠孝、一鎌(かま)一杵(きね)も世を賑はすの基(もと)と云ふ処を心にこめて、働く時はおのづから天福身に余り、
四民を潤すの道理にも至べきものならし。 ○良農の語に、鋤かきを念(ねん)入と疎略(そりやく)にするとは大に違ふものに深く鋤き、深くかくには人力(じんりよく)大に労し、隙とるなれども、 苗の根ふかく入て旱(ひでり)にも堪(たへる)ものなり。 しかるを、居ばからいにて、下人、雇人にまかせ置ては、微細(みさい)になりがたかるべし。 此一事に限(かぎ)らず、万端(ばんたん)自身の手にかけ、 |