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つかへば、其つかひかたに無理ありて、行(おこな)はれぬなるべし。
貢に納る米、大豆に念を入れ、升(ます)の不足なきよう、俵の仕立にも心を用ひ、粗末(そまつ)ならざるよう、肝要(かんよう)なるべし。
献上(けんじやう)の物なれば、箱にも入べきを、藁(わら)の俵に仕来たれば、せめてはきれゐにすべきものならし。
若し、仕とゝのへあしくて、役人の見分にて納らざるは、大なる恥にして、甚だ不敬(ふけゐ)なりと心得、いかにも結構(けつかう)にすべし。 ○百姓の働は、秋に至てあらはれるものなれば、春より夏のつとめ、よく/\心を尽すべし。 富めりと言へども、上納の品を人まかせにして、面目(めんぼく)を失ふことあるべからず。 ○貢はさらなり。諸上納に催促(さいそく)をうけるは大なる怠(おこたり)なり。其 |