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○仏神に、寄進の財は、年具(ママ)諸上納のすみたる後にすべし。
いまだ済まぬ前に出すは、盗みかすめたる財にて施とおなじ。仏神は、非礼を納受(のうじゆ)し給はぬゆへに、感応(かんおふ)あるべからず。 百姓は身をひきくするが肝要(かんよう)にて、人に物を教(おしゆ)る事をあづからず。 万事人に習てすむゆへ、かならず学問(がくもん)すべからず。 知らぬことは、山(ママ)の長老(ちやうろう)か、村の医師(いしや)に尋てよし。 手習も、願書(ねがいしよ)、触状(ふれじやう)等のよみかき、手紙の取り遣りに、事の欠(かげ)ぬまでにて済ぬべし。 百姓の子は、鋤鍬のつかひようを熟(じゆく)するぞ、専要なるべし。聖人も、田を作ることは老農にしかずと、仰られたり。 何事もしろしめす大聖人さへおき給ふ農家の業なれば、容易(たやすき)ことにあらず。蒔(ま)き、 |