十九丁・裏(テキスト) 十九丁・裏(画像) 十九丁・裏
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ようにて、今日の極楽(ごくらく)に遊て慈悲をなし、善行を勤とする故に、貪(むさぼ)る心をはなれ、能く勘忍して、 いかれる心をおこすこと無きの徳有りて、心常に寛(ゆたか)にして煩(はづら)はしき事なく、老を養ふに大に益あり。 寺へ、参詣燈水の立働(たちはたらき)に気血を行(めぐら)すの得あるべし。
○身はつかふほど健(すくやか)なるものにて、労するに躰を惜むべからず。 予、壮年の時は、日々人に舁(かゝ)れて徘徊(はいくわひ)せしが、其頃は二三里をさへ歩行し難かりしに、五十歳余にて退隠(たいいん)し、 それより遊をことゝするから、歩行にあらざれば不自由ならん、とて日々、遊歩に馴(なれ)て、筋骨(きんこつ)次第にすこやかに、当年は