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たのもしきならん。
清貧(せいひん)は、常にたのしび、濁富(だくふ)は常に憂(うれ)ふとは、かかることにや侍らん。 ○士は身を重(おも)く持て、威(い)あるをもて、其用をなすを勤とするに、心はひきく、下賤(げせん)の情に能く通じ、 政道(せいどう)の助(たすけ)となるべく、百姓は賤がうへにもいやしく、謙て、衣食住の欲(よく)をはなれ、足らざるにことたりて、 身の働(はたらき)に力を惜まず、人を富まし、世を賑はゝせるの志を立るを肝要(かんよう)とすれば、衣食住の侘たるを恥べからず。 百姓の恥とすべきは、年貢を人におくれ、夫役(ぷやく)の働に尻込(しりごみ)する類(たぐひ)なるべし。 又、商人の心のごとく、人の損を顧(かへりみ)ずして、己が利あらんことを謀り、工事(くじ)訴訟(そしやう)をする類なるべし。 人の為に苦労し |