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炭鉱札の券面

(炭鉱札画像)嘉穂炭鉱    炭鉱札は炭鉱や時期によって使われ方が異なり、券面の記載内容もさまざまでしたが、その価値を示すものとして「石炭の重量」や「金額」が記されていました。
    本来は坑夫の仕事量(出炭量)に応じて支払われていたとみられますが、後には坑夫以外の労働者に対しても十斤券を一銭として現金の代わりに支払われるようになりました。炭鉱札は原則として炭鉱直営の分配所(売店)や炭鉱指定店だけで通用しました。毎月決められた交換日に現金と引き換えることができましたが、交換日が限られていたため、急に現金を必要とする場合は納屋頭か炭鉱の指定店や高利貸で両替してもらいました。しかし、その際には二割から五割の手数料を取られることもあったようです。

参考1斤=約600g  , 1銭=1/100円 (百分の1円)
※上の炭鉱札は「石炭量五拾斤採炭領収之証」とあるので、「30kgの石炭を採掘した証書」ということになります。十斤券が一銭と交換されたので、この券は5銭と交換されていたことになります。
※過去の貨幣の価値が現在のいくらに当たるかを示すのは大変難しい問題ですが、「筑豊炭礦誌」によると明治30年頃の坑夫の一日の平均賃金は50~60銭、白米1升(=10合)の値段は約14銭であったようです。