福岡大学図書館ヨーロッパ法コレクション
法学の源流をたずねて-すべての法はローマ法に通ず-
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第1部 ヨーロッパ法文化の基礎としてのローマ法・カトリック教会法  
 
No.6
ファブロ版『バシリカ法典』


Fabrot, Charles Annibal -- ΤΩN BAΣIΛIKΩN BIBΛIA Ξ. BAΣIΛIKΩN, Libri LX : in VII. tomos divisi. Tomus [I-VII].
Parisiis : Sumptibus S. Cramoisy ... et G. Cramoisy, 1647.
7v. ; 36 cm.(fol.)
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標題紙
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  p.27 ユースティーニアーヌスの法典編纂後、東ローマ帝国では、ギリシア語での法典編纂があいついだ。なかでも、もっとも大規模であったのが、『バシリカ法典』である。これは東ローマ帝国皇帝バシレオス1世によって計画され、その子レオン6世(賢帝)(在位886年-912年)の時に完成した。内容は、ユースティーニアーヌスが編纂させた『学説類集』『勅法類集』『新勅法類集』からの抜粋の意訳である。これに注釈が付いている。この法典はユースティーニアーヌスと同じ東ローマ帝国において編纂された。また、注釈の中には、ユースティーニアーヌス時代に由来するものもある。こうした理由から、『バシリカ法典』は、ユースティーニアーヌスの法典編纂を理解するうえで不可欠の史料である。
標題紙中央部分 近世西ヨーロッパで『バシリカ法典』にラテン語訳を付してはじめて、これを出版したのが、フランスのシャルル=アニバル=ファブロ(1580年-1659年)であった。
 福岡大学図書館所蔵本は、1647年にパリで出版された初版本である。標題紙の円周には『旧約聖書・出エジプト記』第20章第12節(または『新約聖書・パウロのエフェソの信徒への手紙』第6章第2-4節)から、「モーセの十戒」のうちの第一戒「あなたの父母を敬え。そうすれば、あなたは、地上で長く生きることができる」を配する。コウノトリは親孝行をすると伝えられた。「...母鳥は、歳をとって子供たちの助けが必要なときには、いましているような贈り物を子供たちからもらえると思っている。親思いの子鳥たちも、親の期待に背くことがない。歳老いた親の体を肩でかつぎ、口伝えに食物を食べさせる」(アルチャート『エンブレム』30・鈴木繁夫訳による)とある。
 


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