中央図書館4階に設けられた特別資料室「川添昭二文庫」とは?

人文学部歴史学科 山田貴司
川添昭二文庫の入り口のロゴ
〔図〕川添昭二文庫の入り口のロゴ

 皆さんは、中央図書館4階の特別資料室「川添昭二文庫」をご存知ですか?この文庫は、九州大学名誉教授の故川添昭二先生(1927~2018)のご芳志により寄贈された蔵書や資料を学生諸君に活用してもらうために、2012年の新中央図書館設立にあたって開設された収蔵・閲覧スペースです。

 川添先生は1990年3月に九州大学文学部教授を退官された後、1997年3月まで本学人文学部教授として教鞭をとられた、日本中世史研究の泰斗です。本学をこよなく愛された先生が寄贈なさった蔵書と資料は書籍3万5千冊と各種学術雑誌、研究資料をケースファイルに収納した「研究用ファイル」5千冊、研究論文名などを記した「図書カード」42万枚に及びます。大学院生の時だったでしょうか、私は先生のご自宅にお邪魔したことがあるのですが、玄関のすぐそこまで本棚が迫っていた様子を覚えています。個人の蔵書としては、たいへんなボリュームです。

 蔵書の中心は先生のご専門である日本中世に関係する研究書や史料集で、政治・宗教・文学・対外関係に関するものが充実しています。もっとも、博識かつ幅広い視野をお持ちだった先生の蔵書ということで、古代から近世・近代に至るまで貴重かつ重要な書籍がたくさんおさめられています。日本の歴史をひもとき、調べるのであれば、時代やジャンルを問わず活用しうる文献の宝庫です。

 また、川添先生が研究テーマごとに、あるいは研究者ごとにまとめた研究用ファイルは、研究資料としていまも活用できるものです。加えて、歴史研究者がどのようにして情報を集め、整理・分析しているのか、他の研究者とどのようなやり取りを行い、切磋琢磨しているのかを物語るものでもあります。その意味でも貴重な資料群です。なお、ファイルには手書きの文書やコピーの切り抜きなど様々な資料が入っています。それらを紛失しないよう、注意して活用いただきたいと思います。

 「川添昭二文庫」の設置により、本学図書館の歴史関係蔵書は質量ともに西日本屈指のものとなりました。私もその恩恵をこうむっています。歴史学科の学生はもちろん、歴史に関心を持っている方はぜひ「川添昭二文庫」を訪ねてみてください。

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