このたび福岡大学図書館長を拝命いたしました。図書館スタッフの方々とともにより良い図書館を目指して尽力する所存です。皆様のご指導とご協力をよろしくお願い申し上げます。
大学には多くの建物・施設がありますが、空き時間を居心地よく滞在できる場所はどこでしょうか。就任から短い間ですが図書館スタッフの方々と接して感じるのが、図書館はその第一候補でありたいという思いです。
これまでも「滞在型」図書館を目指した取り組みが行われてきました。それらのなかには図書館入口前のホールに飲み物の自動販売機を設置したり、そこで軽食をとることができるようにしたりといった、一見すると「本」とは関係のないことも含まれます。図書館というと、そもそも学術的な雰囲気を漂わせていて、さらに入館には二重の自動ドアを抜けてから学生証や職員証をかざすゲートを通る必要があり、利用にやや心理的なハードルがあるかと思います。前述の取り組みは、そのようなハードルを少しでも下げるものだと思います。私も、これまでのそういった取り組みの方向性を維持しながらさらに進めていくことの助けになれればと思っておりますので、皆様のご理解をよろしくお願いいたします。
学生の皆さんには、図書館を使いこなしてもらいたいと願っています。上で書いた「空き時間を居心地よく滞在」することは本来の図書館の役割を考えるとやや「邪道」かもしれませんが、その時間に、例えば新書の書架を眺めれば興味のあるタイトルを発見することができるでしょうし、少し背伸びをして専門書の書架を眺めればネットを検索しただけでは得られない体系的で専門的な知識を提供してくれる本たちに出合うという「正道」に乗るチャンスです。また、グループ学習室では友人等と議論でき、集中して勉強したければ研究用個室を学部学生も利用することができます。分からないことがあれば図書館スタッフに遠慮なく聞いてください。親切に教えてくれるはずです。皆さんを図書館でお待ちしています。