No.4
ゲバウエル=シュパンゲンベルク版『ローマ法大全』
Corpus juris civilis. --
Corpus iuris civilis : codicibus veteribus manuscriptis et optimis quibusque editionibus collatis.
Gottingae : Apud I.C. Dieterich, 1776-1797.
2 v. ; 31 cm.(4to)
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オランダの法学者ヘンリック=ブレンクマン(1681年-1736年)は、自ら、イタリア各地を旅行し、『ユースティーニアーヌス学説類集』の写本を探索した。これをふまえて、かれはこれらの写本を比較照合し、あたらしい刊本を出版する構想をいだいた。しかし、その逝去により、この構想は実現されず、その手稿は、国際法学者として知られるコルネリス=ヴァン=ヴァンカースフーク(1673年-1743年)に遺贈された。ヴァンカースフークは、これに手をつけないままであった。その後、この手稿は、クリスチャン=ゲバウエル(1690年-1773年)の手に渡った。ゲバウエルは、ブレンクマン手稿をもとに『学説類集』各写本の異同をあきらかにする刊本の出版をくわだてた。ゲバウエルの仕事は、その後、ゲオルグ=アウグスト=シュパンゲンベルク(1738年-1806年)によって引き継がれ、1776年に、『法学提要』『学説類集』から成る第1巻が、1797年に、『勅法類集』『新勅法類集』などから成る第2巻が、それぞれ出版された。
この版本は、とくに『学説類集』に関して、「フィレンツェ写本」と「流布本」との異同を知るうえで、不可欠である。福岡大学図書館では、5年の歳月をかけて、ゲバウエル=シュパンゲンベルク版をDVD化し、これにさまざまな検索機能を付加した。
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