キュジャス『全集』　[第2部 8/10]

No.15
キュジャス『全集』

Cujas, Jacques -- Jacobi Cujacii ... Opera omnia, in decem tomos distributa : quibus continentur tam priora, sive quae ipse superstes edi curavit, quam posteriora, sive quae post obitum ejus edita sunt, jam a Carolo Annibale Fabroto ... disposita. Accessere in hac novissima editione ab eruditissimo viro Graecorum versio locorum hactenus ab omnibus desiderata, index locupletissimus, ... Praeterea dissertatio Emundi Merillii, & interpretatio ab eodem facta variantium ex Cujacio observatarum, ... postremo controversiae Joannis Roberti ejusdemque notae in responsiones a Cujacio nomine Antonii Mercatoris editas, quae majori eruditorum commodo in ipsis observationibus afferuntur, studio & diligentia Liborii Ranii ...
Neapoli : Ex typographia Moriana : Apud V. Pauria, 1758.
11 v. ; 38 cm.(fol.)

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　ジャック＝キュジャス（1522年－1590年）は、ドノーとならんで、16世紀の人文主義法学を代表する法学者である。かれは、ローマ法・教会法のほぼ全領域にわたって詳細な注釈をものした。その手法は、ギリシア＝ローマの古典学への造詣を駆使し、古典文献を広く渉猟して、テキストを分析するというもので、まさに博覧強記と言うべきである。

　こんにち、パリには、キュジャス通りがあり、また、パリ大学法学部図書館は、その名を冠して「キュジャス図書館」と呼ばれているのも、この法学者への尊崇の表れである。
　ここにあげるのは、ナポリで1758年に出版された『全集』の第１巻である。
　標題紙の中央にある画像中には、「かつては（木の）幹であった」と書かれている。
　なお、1758年版には、キュジャス65歳の時の肖像が印刷されている。肖像の周囲には「トゥールーズのジャック＝キュジャス65歳1587年」とあり、下方には「キュジャスとはいかなる人かと、あなたが問うであろうならば、肖像画を見よ。（キュジャスが）いかほど（の学識の持ち主）であるかを、あなたが問うであろうならば、だれも述べることができない」とある。