29.草花畧画式【そうかりゃくがしき】(外)

(刊)大本一巻一冊
文化十年(1813)十月刊
(江戸)恵斎【けいさい】筆
江戸 須原屋市兵衛【すはらや・いちべえ】板
江戸 同  善五郎【ぜんごろう】板
江戸 鶴屋金助【つるや・きんすけ】板
江戸 竹川藤兵衛【たけかわ・とうべえ】板
彩色板

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    見返しは藍刷りで「恵斎先生筆/(角書)草花 略画式」とあり、文化十年岸本由豆流の和文序がある。 福寿草に始まり、水仙まで五十二の大図と三十一種の小図を収め、草花の絵手本として見事な出来栄えを示すと共に、 一種の植物図鑑の役目も果たしている。背景を薄墨でつぶした上で、雪の下、藤袴や白菊など白い花を持つ草花を浮き立たせるという 画題に応じた趣向も面白い。「草花の一つひとつが人物略画と同じく皆、背を反らせ、くねらせている所が、いかにも恵斎風である」 という先人の評が思い出される。