18.[繪本孝経【えほんこうきょう】]
「孝経」の和解を中心とした二巻二冊の絵入本。著者は未詳。孝行や孔子について解いた序文(彩色版一丁)
の後、口絵(一丁)、序文(半丁)の後、本文が始まる。漆山又四郎氏によると、この口絵は「北斎門人の載斗の筆」
(『近世の絵入本』)。本文中の挿絵三八図は恵斎筆。なお、後年高井蘭山解、北斎画で同題名『絵本孝経』(天保五年序刊)
が出されている(『国書総目録』)。本書は文化十年の刊記を持つものの、『北斎漫画』十編(初版文政二年(1819)初版)
が蔵版目録に記載されるため、文政以降の後印本か。
本文は「孝経」本文を項目題として、「立身行道」といった横に「みをたてみちをおこなふ」と読み仮名が振られ、
項目説明の和文(和解)が続く。文章が主体だが、折々に《孔子・曽子像》他、和漢の孝行物語の場面の挿絵等を載せる。