電子書籍と紙の本

工学部電気工学科 江田 孝治

 今から20年前、私が大学院生の時に電子書籍について大学の冊子にコラムを書いたことがあります。まだノートパソコンも大きく重い時代で携帯電話もガラケーと呼ばれていたものでした。そのコラムでは、将来は石版のような薄い板にすべての教科書が入り、重たいカバンを持って通学することはなくなるといったことを書いた記憶があります。現在はタブレットやスマートフォンとして現実のものとなりました。私も電子書籍を購入しスマートフォンで読んだりしています。スマートフォンだとソファーに横になったときやちょっとした空き時間でも読めるので大変便利だと感じます。また毎月一冊の本を買ったとすると1年で12冊、10年で120冊となり、どんなに整理をしても段々と本を置く場所がなくなってきます。結局、本棚の空いているところや机の上に積み重ねていくことになります。この点、電子書籍は場所を取らないので何冊読んでも保管場所に困らないところがいいですね。このように電子書籍が便利なところを書いてきましたが、電子書籍が紙の本に勝てないところをいくつか紹介したいと思います。まずは俯瞰性です。電子書籍はどうがんばってもディスプレイに表示する範囲しか見ることが出来ませんが、紙の本の場合はページをパラパラとめくることができます。このパラパラめくる動作ですが、皆さんはあまり重要に思わないかも知れません。しかし、「確か以前読んだ本に書いてあったな」と記憶を頼りに探すときや、読みながら前のページを見直すときは非常に便利な機能?です。次に、紙の手触りです。スマートフォンはいつも同じ手触りですが、紙の本は一冊一冊が違います。ページをめくるときの感触もいいですね。また何度も読んだ本は小口の部分が汚れてくるので、それを見ると「この本はよく読んだな」という感動があります。私は本に書き込みをしながら読むタイプなので、図書館で本を借りることは少ないのですが、面白そうだなと感じた本はできるだけ買うようにしています。電子書籍は便利ですが、人はアナログですから皆さんも図書館で紙の本を手に取って、読む機会を増やしてみてはどうでしょうか。

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