22.絵本大江山【えほんおおえやま】(外)

(刊)半紙本二巻二冊
幕末頃後印
(江戸)北尾政美【きたお・まさよし】画
江戸 須原屋市兵衛【すはらや・いちべえ】板
尾張 永楽屋東四郎【えいらくや・とうしろう】板
彩色版(カッパ刷り)
後印本

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    一条天皇期、源頼光が大江山に住む酒呑童子を退治した物語の絵入本。 上下二巻、全丁絵が主体で、絵に合わせた簡易な文を添えた画面構成。初版は漆山又四郎によると 寛政十年『近世の絵入本』。『国書総目録』に「天明六年(1786)成立」とあるのは、 「午の猛春 万象子述」(初代・森羅万象)の序文によるか。画中に落款は無いが下巻奥付に 「北尾政美(印)」と記され、序文にも「(前略)恵斎の主漫に筆を揮【ふる】って大江山の画帖を画く。 画き出して然【しか】も妙なり。我亦【われまた】鬼を見ざれども是を見るに似たるが如し。嗚呼【あゝ】 政美が画に於【おけ】る実に当世の神手なるかな。」とあり恵斎政美の画とわかる。この本は、 江戸末・明治期に多用された発色の良い化学染料が使用してあることから、寛政の板木を明治期に 外国土産としても好まれたカッパ刷りに仕上げたもの。