大学時代、人生の目標をより具体的に設定し、それを達成するためにいろいろと試行錯誤する人も多いのではないでしょうか?
スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣—成功には原則があった!」によれば、目標達成への道を切り拓く最も強力なツールの一つは、自分の力になる習慣をつけることだそうです。1989年に米国で初版されて以来、この本はいわゆる自己啓発本の「テッパン」的な存在になっていますが、今の時代でも通用していると思います。
第一の習慣として取り上げられているのは「主体的」に自分の行動と決断に責任を持つことで、第二の習慣では「終わりを思い描いてはじめる」ことの重要性が説かれています。何事に対しても最初から最後まで工程を思い描きながら取り組むことで、より実行可能な計画を立てやすくなるとのこと。言い換えれば、第一の習慣によって主体的に行動することが後押しされるなら、第二の習慣では計画でその行動の裏付けをすることが説かれます。そして第三の習慣では、自分が立てた計画のリーダーとして優先順位を意識し、必要によっては計画の変更を加えながら遂行していくことの大切性がうたわれます。
学生に特に注目してほしいのは、第四「Win-Winを考える」、第五「まず理解に徹し、そして理解される」と第六の習慣「相乗効果を発揮する」です。これらは、他者と協力していくうえで不可欠である効果的なコミュニケーションと対人関係の本質について考えさせてくれます。大学時代に築く人的ネットワークを自分の将来の糧にしていくためにも、いろいろとヒントをくれると思います。
最後の7つ目の習慣では、継続的な自己更新と改善の重要性が取り上げられます。今風に言い換えれば、常に自らの心身面のセルフケアのためのエネルギーを残しておくことがいかに重要なのかを、改めて気付かせてくれます。
「癖」は無意識に身についてしまうけれど、効率的に物事に取り組むには、意識して「習慣」をつけることが必要になります。この本では、これらの習慣を日々の中で意識して練習を重ねるための実践例もいくつか紹介されています。皆さんも「自分磨き」のきっかけを見つけるために図書館で手にとってみてはどうでしょうか?